「まだまだ、やることがいっぱいで、楽しみ」中心街にオープン「駿河屋本店」は”ホビーの街・静岡”のシンボルとなれるのか【杉山綱重CEO単独インタビュー】

クリスマスイブまで、いよいよあと1か月。2023年10月6日に静岡市の中心街にオープンした「駿河屋本店」もはじめてのクリスマス商戦を迎えています。2021年3月に閉店した「静岡マルイ」の跡地に、国内最大級のホビーショップとして出店し、全国から注目が集まっています。

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駿河屋本店を運営する「エーツー」は、静岡で生まれた企業で、25年前に、30坪のゲームショップの通販からスタートしました。今回の新店舗は、ネット通販では体験することができない「コト消費」を重視。

鉄道模型のジオラマやトイガンの試し撃ちができる施設があるなど商品を購入するだけでなく、見ても楽しむこともできる店舗になっています。

最終的な売り場の面積はおよそ1,800坪、並ぶ商品の数は1000万点を超える規模になります。SBSはエーツーの杉山綱重CEOを取材し、現在の心境や、今後について聞きました。

Qついにオープンしたが?
<「エーツー」杉山綱重CEO>
駿河屋ビルを丸井から取得してから、もう少し早く出店する予定だったが、経験をしたことがないこともたくさんあって、工事を含めて、お待たせしてしまって、大変、申し訳ない。ただ、その中で、日本最大規模のホビーショップという形で、まず、第一段階としては、日本で唯一の店を作れた。店舗では、色々な”日本唯一”の試みもしているので、ぜひ、楽しんで欲しい。

このように語った、杉山CEO。静岡の企業として出店したことについては…

「ホビーの街なのに売っている場所がない」を変える

<「エーツー」杉山綱重CEO>
静岡の企業としては、私も静岡で起業して、25年前に、30坪のゲームショップで通販をする所からスタートしている。私も静岡市出身でもあるし、その中で、中心商店街、駅前の商業地区の復活に私が力を添えることができるということは、大変、感慨深いと思っている。

小さなゲームショップからスタートした会社が、”ホビーの街・静岡”のシンボルとなる店をオープンさせたことについては…

<「エーツー」杉山綱重CEO> いままで、静岡の駅前は、ホビーの街なんだけど、ホビーを売っている場所がない。その中で、ホビーを本格的に売る、そして、そこで遊ぶこともできる、そういった場所を提供したい。

日本のアニメやゲームが全世界で空前のブームとなっていて、海外からの集客も期待ができると意気込んでいます。

<「エーツー」杉山綱重CEO> 過去のゲーム価格が高騰している。これは、国際的な流れ。日本に観光に来て、ゲームを買っていく。日本はまさにゲーム大国で、過去のモノの一つ一つが文化遺産になっている。それが海外からお客様を呼べる日本の魅力の一つ。世界で一番有名なゲームのコンテンツは、ポケモン。日本のアニメは、ネットフリックスを中心に、お客さんがどんどん増えている。そのアニメのフィギュアやグッズを駿河屋が取り扱う。これが、海外のお客さんを日本に呼び込み、市場も広がる。

Q駿河屋本店の特徴は?
<「エーツー」杉山綱重CEO>
例えば、鉄道模型でいったら、日本で一番多い規格のNゲージがあるが、国際的な規格である、HOゲージを本格的に取り扱う。また、いろいろな鉄道関連グッズ。例えば、鉄道のDVD、書籍、その他、その駅でしか手に入らないモノの取り扱いを強化している。また、ミニカーやRCカー。RCカーは、遊べる空間も作って、最大レベルの品ぞろえに。一個一個の商材で、日本で一番の品揃えを作っていくことを目標にしている。

静岡の企業で、静岡で商売をするということで、雇用についても、力を入れるとしています。

「自分の働きたいところでより高い給料を得る」

<「エーツー」杉山綱重CEO> いま、従来型の日本的な雇用は、それ自体は、よい面もあるけど、国際的な流れは”JOB型の雇用”。一人一人が自分の働きたい仕事をしながら、より高い報酬をしっかり取る。それが静岡の街自体の消費につながる。静岡の街をよくするため、働く人たちが、より働きやすく、より自分の働きたいところで、より高い給料を得ることが重要。また、一個一個の商材を深堀していくには、好きな人が、専門的な仕事をすることが、重要なので、JOB型の雇用を推進していく。

すでに、JOB型雇用で、採用となった、PC関連のスペシャリストなども働いている状況です。来店客も働く人にも、魅力的な駿河屋本店。今後について、杉山CEOは…

<「エーツー」杉山綱重CEO> まず、静岡駅前の活性化に力になれるように、駿河屋ビルを日本で最大レベルの店にする。また、2年後をめどに、郊外に1万坪の倉庫をさらに追加して、通販もいまの売り上げの倍以上を目指す。全てを静岡で行うので、よりよい形の職場を提供していくことも目標。

オープン日は平日だったにも関わらず、開店前から全国のファン150人以上が列を作るなど、注目が高い駿河屋本店。杉山CEOは、始まったばかりと、気を引き締めています。

<「エーツー」杉山綱重CEO> オープンには、ワクワクしているけど、問題はそこではない。オープン日に来るお客さんの数が一番ではなくて、1か月後、2か月後、さらに来年は、その上になる店作りをしていくことを従業員たちと話した。そのことを考えると、まだまだやることがいっぱいだなということが、とても楽しみ。

今後、4階には高額なトレーディングカードを扱う予定で、年内に全面オープン。年間およそ80万人の来店者数と30億円の売り上げを見込んでいます。

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