車にシカ衝突の苦労あるが「不便も魅力」 京都府南丹市、移住者らが体験語り合う

空き家問題や移住経験を語り合う市民ら(南丹市八木町・アイスタやぎ)

 移住者の座談会とロックコンサートを組み合わせた催し「Rock in Residence 移住はロックだ!」が11月19日、京都府南丹市八木町のアイスタやぎであった。見知らぬ地域に飛び込み、空き家を自力で改装するなど「ロック」な経験を語り合った。

 音楽を通じて地域の活性化や移住促進を図る「京都南丹Yagi―JAM実行委員会」が企画。冒頭、亀岡市の女性(38)が空き家だった実家の離れを修繕し、子どもを連れて東京都からUターンしてきた体験を報告。自分で壁を塗ると愛着が湧いたといい、「家族の思い出が詰まった建物を守り継いでいきたい」と夢を語った。

 座談会には11人が参加。約10年前に八木町に移った男性(43)は当初友人ができなかったといい、「消防団で仲良くなれた。今では住みやすく、協力したくなる町だ」と振り返った。

 南丹市美山町の男性(54)は、移住直後の8月にあった鶴ケ岡地区の火祭り「上げ松」で地域に溶け込めたという。車でシカに衝突するなど苦労もあるが、「不便も魅力。温かい人たちと暮らすのが楽しい」と移住の魅力をアピールした。

 移住者を含む市内の音楽バンドや歌手によるライブもあり、多くの人でにぎわった。

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