「いつか大仁田厚を呼びたい」北海道札幌市在住のミュージシャンでパンクバンドBLAGのボーカル、シューイチ・ヴィシャスさんは初めてFMWの試合で大仁田厚を観て以来、ずっと大仁田のファンだという。
「こんな男がいるんだ、と衝撃が走りましたね。初めて観て男が男に惚れましたよ」と語る。
建築業のかたわらで、セックスピストルズに憧れて始めたパンクバンドを続けている。
「いつか自分の大好きなFMWのプロレスを、自分のライブに呼びたい、と目標を掲げました。馬鹿な夢かも知れませんが、俺にとっては仕事も音楽も頑張れる原動力だったんです。」とシューイチさん。
11月23日に、小樽市のGOLD STONEで「TRASH BOX FESTIVAL 2023」が開催された。
このイベントは、13組のアーティストが出演する音楽フェスで、その大トリを、大仁田厚、仲川翔大 VSミスター・ポーゴ、怨霊による「ストリートファイトトルネード有刺鉄線ボード凶器準備集合パンクデスマッチ」の試合が飾った。
また、会場は明治28年築の小樽運河のシンボルで、小樽市の歴史的建造物に指定されている、旧澁澤倉庫をリノベーションしたライブハウス。
すべてが異色のパンクとプロレスのコラボフェスとなった。
試合は大仁田組がシューイチをセコンドに従えて先入場。試合開始直後からラフファイトが続き、ポーゴが大仁田の背中に矢鴨のごとく木の矢を突き立て、流血させる。これを皮切りに両者大流血のストリートファイトが繰り広げられる。
大仁田が怨霊にテーブルパイルドライバーを決め、大仁田組が優勢かと思われたが、有刺鉄線ボードに大仁田とシューイチが捕まり、ポーゴ、怨霊からサンドイッチされ、大ダメージ。
スワントーンボムを決めようとコーナートップまで上がった仲川に、ポーゴが雪崩式ブレーンバスターを決め、怨霊は仲川へ雪崩式フランケンシュタイナーを浴びせる。
しかし最後は仲川が怨霊を捕えると、有刺鉄線ボードの上から雪崩式スワントーンボムを決め、大仁田がバックドロップをくらわせ、マットに沈めた。
試合後大仁田は、「今日は(シューイチ)ヴィシャスのために来てくれて、ありがとよ!」と絶叫。
さらに「くだらない夢、一夜の夢かも知れない。馬鹿です。でもこんな男がいても良いと思います!」と、夢を叶えた男を讃えた。