コストコ、ららぽーと、IKEAへアクセス向上も 埼玉千葉つなぐ「三郷流山橋」開通へ 26日に有料道路としてスタート、渋滞解消に期待 沿線開発や物流拠点増で周辺混雑、唯一の流山橋を渡るだけで一苦労だった

26日に開通する三郷流山橋有料道路(埼玉県提供)

 埼玉県三郷市と千葉県流山市間の江戸川を渡る「三郷流山橋」が有料道路として26日午後3時に開通する。つくばエクスプレス(TX)沿線開発や物流拠点の立地などにより、両市を結ぶ唯一の流山橋は慢性的に渋滞が続いていた。交通の混雑緩和と利便性向上が期待される。

 開通区間は三郷市前間地内の県道三郷松伏線と、流山市三輪野山地内の県道松戸野田線バイパスをつなぐ全長約2キロ。うち江戸川部分の橋の長さ約450メートル。片側1車線。三郷市から千葉県を経由して茨城県つくば市に至る広域幹線道路「都市軸道路」に位置付けられる。

 埼玉県と千葉県、埼玉県道路公社の3者共同事業。2013年度から始まった。総事業費は約217億円。

 従来、江戸川を挟む両市を行き来するには一般道の場合、流山橋を通る。しかし周辺にほかの橋がなく、上流で約8キロ離れた玉葉橋、下流では約5.5キロ先の上葛飾橋まで迂回する必要があった。

 県道路公社によると、開通に伴い「IKEA」や「ららぽーと」「コストコ」など多くの大型商業施設が立ち並ぶ新三郷駅周辺から流山おおたかの森駅周辺まで、所要時間は約10分短縮し20分でアクセス可能となる。1日当たりの交通量は約1万2700台を見込む。

 料金所は三郷市側に設置。1回の通行料金は普通車150円、中型車200円、大型車260円、特大車410円、軽自動車100円、自転車など20円、歩行は無料。現金のほか、Suica(スイカ)やPASMO(パスモ)などキャッシュレス決済も可能。料金徴収期間は30年間を予定する。

 開通を前に地元からは歓迎の声が上がる。流山橋たもとの商店会「早稲田中央共栄会」で青果店を30年以上営む70代男性は「朝夕や週末中心に橋の手前から渋滞が続き、流山橋を渡るだけでも一苦労だった。開通によって混雑の分散につながれば」と喜んだ。

 三郷市の木津雅晟市長は20日の定例会見で「市内の渋滞緩和に加え、道路網の充実により企業進出、雇用創出、地域活性化など期待できる。さらに有事の際には緊急車両の走行や物資輸送にも寄与する待望の道路」と述べ、新たな県境ルート誕生を期待した。

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