玉城知事「思いを寄せ合ってる大会」「苦しくても頑張れる」 新基地反対の決意新た

会場からの声援に両手を上げ応える玉城デニー知事=23日、那覇市・奥武山陸上競技場(竹尾智勇撮影)

 戦争への危機感を共有する黄色に与那国の花織柄をあしらったかりゆしウエアを着て、台湾訪問前に会場に駆け付けた玉城デニー知事。拍手や指笛に出迎えられて登壇すると、青空の下に集まった参加者を見渡し、「アチサイビンヤー、チュウガナビラサイ(暑いですね、こんにちは)」としまくとぅばで語り始めた。

 登壇前に会場内でのアートイベントに参加したことを明かし「若い人たちやいろんな方々が思い思いの気持ちを寄せ合ってつくっている大会」と参加者をねぎらった。

 約5分間のあいさつでは「不条理」という言葉を3度繰り返し、沖縄戦や米軍統治下にあった沖縄の歴史、復帰51年を経ても続く過重な米軍基地負担などを挙げながら「子どもたちの未来が、戦争の未来であってはなりません。不安な未来であってはなりません」と語気を強めた。

 また、辺野古の新基地建設を巡り政府と対(たい)峙(じ)する自身の思いも重ねながら「毎日苦しい状況でも私でさえ頑張ることができている」と語りかけ「マジュン、チバティイチバラナヤーサイ(一緒に頑張ってまいりましょう)」と締めくくった。

 あいさつを終えた知事は、記者団に「(台湾では)沖縄はアジアを戦場にさせないという思いが強いことを伝えたい」と力を込めた。(社会部・吉田伸)

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