ケアラーの居場所づくり 茨城・牛久のNPOに知事賞 いばらきアワード

県知事賞を受賞したソワンアンドソワレの中島沙都美理事長(右)=水戸市宮町

福祉や環境など社会的な課題の解決を目指す活動プランを、茨城県内のボランティア団体やNPO法人から募った「いばらきチャレンジアワード2023」が23日、同県水戸市内のホテルで開かれた。日常的に家族の介護に当たる「ケアラー」などを支援するNPO法人「ソワンアンドソワレ」(牛久市、中島沙都美理事長)が最高賞の知事賞に輝いた。

アワードはチャレンジいばらき県民運動(阿部真也理事長)主催。独自性の高い社会貢献活動を計画する非営利団体を掘り起こすのが目的。

県内35団体から応募があり、この日は1次審査を通過した7団体が、それぞれが解決したい課題や克服するための活動計画を発表。片腕がまひした人の服の手直しサービスや、貧困世帯の子どもの学習支援、海岸のごみ拾いに遊び要素を加えたプランなどがプレゼンテーションされた。

知事賞に選ばれたソワンアンドソワレは、ケアラーの相談窓口を運営するのをはじめ、ケアラーの居場所づくりのため、地域のボランティアや行政の関係者も集めた「大人食堂」を開き、話し合いの場を提供する。同法人は、ケアラーの常設型の居場所づくり、支える人たちの連携態勢の構築を提案した。中島理事長は「ケアを受ける人が幸せであるためには、ケアをする人も幸せでなければならない」と趣旨を語った。

表彰式で大井川和彦知事は、「行政や企業だけでは解決できない課題も多い。茨城でもっと社会貢献活動が発展するよう推し進めていく」と述べた。

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