ベリンジャー獲得を狙うヤンキース ハードヒット率の低さを懸念か

今オフのヤンキースは左打ちの外野手が補強ポイントとなっており、カブスからFAとなったコディ・ベリンジャーの獲得を狙っているとみられるが、「ニューヨーク・ポスト」のジョン・ヘイマン記者は、ヤンキースがベリンジャーとの大型契約をためらう理由になる可能性のある要素として、ベリンジャーのハードヒット率の低さを挙げている。今季のベリンジャーはカブスで復活を遂げ、好成績を残したものの、ハードヒット率31.4%はメジャー全体の下位10%に過ぎなかった。

ヤンキースはハードヒット率(初速95マイル以上の打球が占める割合)が高い打者を好む傾向があると言われている。理由は至ってシンプルで、ハードヒットされた打球のほうが好結果になる可能性が高いからだ。MLB公式サイトでは、ハードヒット率を紹介するページにおいて、2018年シーズンの打撃成績について、ハードヒットの打球が打率.524、長打率1.047を記録したのに対し、非ハードヒットの打球が打率.219、長打率.259だったことに言及している。

今季のベリンジャーは130試合に出場して打率.307、26本塁打、97打点、20盗塁、OPS.881の好成績を残したが、平均打球初速やバレル率、ハードヒット率は軒並み低調だった。三振率や空振り率の向上といったポジティブな要素もあったが、強烈な打球を連発していた2017年(新人王)や2019年(MVP)のような姿を完全に取り戻していたわけではない。今季のベリンジャーをどう評価するかは意見が分かれるところだろう。

フアン・ソト(パドレス)の存在も話を複雑にしている。ソトは今季、規定打席以上の打者のなかで3番目に高いハードヒット率を記録。年齢のベリンジャーより若く、ヤンキースとしてはベリンジャーに大型契約を与えるくらいなら、ソトをトレードで獲得して契約を延長したいというのが本音かもしれない。もちろん、ソトをトレードで獲得するためには相応の対価が求められ、ソトを長期的に保有するためにはベリンジャーをはるかに上回る大金が必要になる。

果たして、ヤンキースはベリンジャーを狙うのか。それともソトを狙うのか。ブライアン・キャッシュマンGMの選択には大きな注目が集まることになりそうだ。

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