生きづらさ感じる子どもたちに居場所を 青森・十和田市中心街に子ども食堂

仲間やボランティアと共に子ども食堂を開設する村山さん
子ども食堂が開設される街中の交流スペース

 青森県十和田市の中心街、東三番町に25日、子ども食堂「マザーツリーカフェ」がオープンする。学校や家庭で生きづらさを感じる子どもたちの居場所をつくろうと、市民グループが運営。大人も利用できる「みんなの食堂」とするが、高校生以下には無料で昼食を提供する。グループ代表で元同市職員の村山康子さん(74)は「気軽に足を向けてくれれば」と話す。

 村山さんたちの間では以前から不登校などの子どもの居場所をつくれないかという思いがあり、今回、実行に移すことにした。同市の社会福祉法人至誠会の相談・交流スペース「みつば」を無償で利用させてもらい、当面は毎週土曜日の午前11時半から午後2時ごろまで開く。

 子どもにはカレーライスを無料で提供(大人は300円)。初回の25日は50食分、2回目以降は30食分を用意する。手探りのスタートで運営費はグループの持ち出しとなるが、「子どもたちから何をやりたいのか、何に興味があるのか教えてもらい、活動に生かしたい」と村山さん。時間内は自由に過ごしてもらうが、年内は有料のクリスマスリースや年賀状の製作体験会も予定している。

 いわゆる団塊の世代の村山さんは「高度成長期にはセミの鳴き声ほどに子どもが街にあふれていたが、今は周りに子どもがいるか探している。その子どもたちが厳しい環境にさらされている。カフェを子どもたちの自己肯定感を創造する場にしたい」と話す。

 グループ名でもある「マザーツリーカフェ」には、ブナの巨木のイメージを重ね合わせた。「残りの人生で何か社会の役に立ち、次の時代につなげたい」

 問い合わせは村山さん(電話090-5187-5170)へ。寄付も募っている。

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