400年を超える肥前黒牟田焼の歴史を受け継ぐ武雄市武内町の丸田宣政窯で23日、「民陶火まつり」が始まった。黒牟田焼を広く知ってもらう目的で34回目を迎える。まつりに合わせて制作した限定品や、普段使いの食器など約1500点が並ぶ。26日まで。
展示場には、伝統の黒牟田焼に現代風のデザインを取り入れた皿とカップのセットやサラダボウルなどの新作が並び、初日から市内外の陶芸ファンが訪れた。地元の漬物の販売や久留米絣の展示もあり、深まる山里の秋を終日楽しめる趣向も凝らされている。
今回は市観光協会主催のバスツアーもあり、23人が会場を訪れた。窯主の丸田延親さん(59)が展示場や登り窯そばの国史跡、土師場(はじば)物原山で黒牟田焼の歴史を解説。「黒牟田焼の歴史は430年前からで、有田焼よりも20年早く始まっている」と説明した。
佐世保市から友人とツアーに参加した長尾環さん(50)は「有田や波佐見の磁器しか知らなかったので、土物がとても新鮮に感じた。今度は個人的にじっくりと訪れてみたい」と笑顔で話した。
26日は午後1時から、篠笛奏者の望月美都輔さんのミニコンサートがある。問い合わせは同窯、電話0954(27)2430。(澤登滋)