謎に包まれる大谷の意向 代理人が情報管理徹底

昨年8月、代理人のネズ・バレロ氏(右)と話すエンゼルス・大谷=セントピーターズバーグ(共同)

 【ロサンゼルス共同】米大リーグでエンゼルスからフリーエージェント(FA)になった大谷翔平は移籍市場の目玉として注目を集めているが、その意向は謎に包まれている。獲得を希望する球団との交渉で具体的な動きは全く漏れず、本人も3カ月以上取材に応じていない。スポーツ専門サイト「アスレチック」は「大谷が何を望んでいるか誰も分からない」と伝えた。

 徹底した情報管理を主導するのが、代理人のネズ・バレロ氏だ。元選手で引退後は野球学校の経営やブレーブスのスカウトなどに携わった後、代理人に転身。メジャー7球団でプレーした現プロ野球ヤクルトの青木宣親らも担当し、日本人選手にも精通している。

 最重要顧客である大谷へのケアは手厚く、本拠地での試合には連日姿を見せた。8月に右肘を痛めた大谷の代わりに記者会見し「(投打)両方を続けていくつもりだ」と、二刀流継続への思いを代弁した。右肘手術を公表したのも球団ではなく、バレロ氏だった。沈黙を貫くのも交渉への影響を懸念する同氏の意向だとされ、大谷の胸中はベールに覆われている。

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