なぜ今?岡山市の水道料金値上げ 背景には老朽化や節水機器の普及

岡山市は2024年度から水道料金を値上げする方針を示しています。なぜ今値上げが必要なのでしょうか。

(岡山市/大森雅夫 市長)
「市民のみなさんに値上げをお願いするのは非常に心苦しい」

岡山市は2024年度から2年間、水道料金を平均で15.7%、それ以降は平均で20%値上げする方針です。

(理容業者は―)
「きついけど、お店の節水は考えていない。仕事なので。家の方の節水は考える」

(記者リポート)
「水道管の更新作業が進められています。80cmの穴を掘って、ポリエチレンの管を埋めています」

市内には総延長4400kmの水道管が張り巡らされていて、市は計画的に更新を進めています。

工事費や材料費が高騰しているため、水道管の取り換えにかかる費用は、5年前より25%ほどアップしています。さらに、浄水場の更新も必要です。

岡山市の人口の約3分の2に当たる42万人に水を届けている三野浄水場です。「送配水ポンプ棟」は、高度経済成長期に整備されたものです。

(岡山市水道局 配水部/平岡茂 浄水担当部長)
「60年経った機械を機能維持するためには、消耗部品等を取り替えていかないといけないが、消耗部品の確保とかが難しい状況」

市は、「送配水ポンプ棟」の新設や配水管の整備などに、今後10年間で950億円の費用を見込んでいます。支出が増える一方で、収入に直結する水道の利用量は減少しています。

岡山市の2020年度の給水量は、2007年度と比べて7%ほど減っています。25mプールに換算すると約2万杯分にあたります。

市は、給水の量が減った主な要因として、節水タイプの機器が普及したことを挙げています。

陶器メーカーのTOTOによりますと、トイレ1回の水量は、1999年の製品と比べて現在は半分以下となっています。

岡山市は、値上げに関する条例改正案を11月30日に開会する市議会に提案します。

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