東京Vの城福浩監督、J1昇格PO準決勝の千葉戦へ「勝ちに行くことが大事」、主将の森田晃樹「選手と一緒に今までで一番熱い応援を」

J1昇格PO準決勝に向けた会見に出席した城福浩監督(右)と森田晃樹(左)[写真:©超ワールドサッカー]

東京ヴェルディを率いる城福浩監督が、2023J1昇格プレーオフ準決勝に向けて意気込みを語った。

24日、2023J1昇格プレーオフ準決勝に向けた出場4クラブのオンライン記者会見が実施された。

今シーズンの明治安田生命J2リーグを2位のジュビロ磐田と同じ勝ち点75で終えたものの、得失点差で涙を呑んで3位フィニッシュとなった東京V。これにより、2018シーズン以来の参戦となるプレーオフで、16年ぶりのJ1昇格という悲願達成を目指す。

その初戦となる26日の準決勝では今季レギュラーシーズンで1勝1敗の戦績に終わった6位のジェフユナイテッド千葉との対戦が決定。

城福監督は長い監督キャリアでも初となるプレーオフ、準決勝で再び相まみえる千葉の印象など幾つかのトピックについて語った。

「自分たちがしっかりと信じて積み上げてきたものがあって、その結果がレギュラーシーズンの最終順位であると自負していますし、プレーオフという特別な戦いではありますが、我々がやるべきことは変わらない。攻守において自分たちが目指してきたものをしっかりと出すのみだと思います。明後日は味スタに多くのサポーターが来てくれると聞いているので、彼らの気持ちもしっかりと背負いながら我々はしっかりとした戦いをしたいと思っています」

「(自身初のプレーオフに向け)もちろんアドバンテージがあることは承知していますが、自分たちが勝ちに行った最後の結果、どういうクローズの仕方になるのかという部分はこれまでもやってきましたし、それをキックオフから狙っているわけではないので、とにかく試合を勝ちに行った結果として最終盤の変化にも自分たちで対応してきたので、そこは選手投入を含めてみんなが共通意識を持ってピッチに立てれば、今まで通りに負けない試合ができる。勝ちに行くことが大事だと思っています」

「(千葉の印象)細かなことはあまり言えませんが、インテンシティの高さと前への推進力。あとはカウンターでシュートまで持っていく質。ここは本当にJリーグのなかでも高いレベルを保っていると思いますし、間違いなく後半戦の主役だったところはそこが要因であり、変わっていない部分だと思います。より攻撃的になっているポジションの選手がいて、我々との対戦時には出ていなかった選手で特徴的な選手が出てくると思います。チームとしても個の部分でも前への推進力を持った状態で相手は戦ってくると思います」

また、城福監督に関しては試合3日前となる23日にホームタウンの多摩市での試合告知チラシ配布に自ら参加したことが大きな話題に。当初は配布に参加する予定はなかったものの、今回の経験を通じてフロントスタッフやボランティアのクラブに対する思いを改めて感じることができたと語っている。

「(当初)行くつもりは全然なかったですが、クラブとしてそういう経験がどれだけあったかは僕自身定かではないですが、今の経営陣とはディスカッションして、我々としてすべてやれることを現場もフロントもやるべきだと、ずっとディスカッションしてきました。もちろん、年間を通じてもっといろんなことができれば良かったですが、少なくともフロントの人たちが大声を張り上げてあそこで(チラシの)着手率は決して高くなかったですが、自分も初めてではなく以前のクラブでもビラを差し出して必ずしも受け取ってもらえる状況ではないなかで、熱意を持って声をかけ続ける。フロントの方たちと一緒に何かやることで自分自信がクラブの思いを感じられればと思いました」

「実際に行ってみると、少し人通りが多い場所ではないところでもあったので、このなかで用意したビラを全部配り切るのは大変だと思いましたが、フロントの方とボランティアの方々、彼らの熱意を感じられたことはすごく良かったと思います」

そういった指揮官自らの宣伝もあり、26日に味の素スタジアムで開催される千葉戦は24日時点で3万人超えの観客動員が予想される。

1年半の在任期間でヴェルディサポーターのチームへの期待、情熱の変化をひしひしと感じてきた62歳の指揮官は、“15年分の想い”を込めたホームサポーターの後押しを期待しつつ、共闘を誓った。

「自分は去年の6月から1年半で、森田晃樹はもっと前から見ていると思いますが、我々サイドから見ていると、本当にデイ・バイ・デイというか、1試合ずつ確実にスタジアムの様子が変わってきている。それは我々から見て分かるものがあります。開幕の時から序盤、中盤、最終盤までより多くの方が来てくださって、我々に思いを伝えてくれる。ホーム最終節でのああいうコレオで示してくれたり、大宮での最終節でも本当に緑のかたまりが我々にとって本当に心強かったですし、自分たちとサポーターとともにピッチ以外のところでのエネルギーを変えてきた。お互いが手を取り合って雰囲気を変えてきたと思っています。おそらくはものすごい雰囲気を作って頂けると思いますし、その努力が実るように一緒になって戦えればと思います」

また、城福監督とともに会見に出席したキャプテンのMF森田晃樹は、指揮官と同じく自身初のプレーオフに気負うことなく、チーム全員で1年間積み上げてきた自信を胸に運命の戦いに臨みたいとの意気込みを語った。

「(千葉の印象)個人の質は非常に高いと思いますし、前回対戦では守備のブロックが綺麗というか崩れない、良い守備をするチームという印象があります」

「この2週間を含めた1年間、全員で準備してきたものが出るかなと思っています。特別なプレーオフという場ではありますが、自分たちが自信を持っているのは1年間積み上げてきたものなので、それが最終節も出ましたし、それがプレーオフに繋がるかなと思います」

「(ヴェルディサポーターへ)選手と一緒に今までで一番熱く応援してもらいたいです」

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