台湾最大の経済団体が高岡へ 企業連携の可能性探る

塩谷会頭(左)から招待状を受け取り来年度の訪問に前向きな姿勢を示した林副理事長=台北市内(飛田和重撮影)

  ●来年度、会議所招へい

 【台北=飛田和重】台湾最大の経済団体「台北市進出口商業同業公会(IEAT)」は来年度、高岡市に訪問団を派遣し、高岡、台北両市の企業連携の可能性を探る。昨年12月に経済交流で覚書を交わした高岡商工会議所の塩谷雄一会頭が24日、台北市内で林宏銘(リンホンミン)副理事長に要請し、林氏が応じた。お互いの会員企業がさまざまな分野で交流し、企業価値の向上、発展につなげることを目指す。

 塩谷会頭は林氏との懇談で、高岡はものづくりが盛んで、世界シェアの高い製品や技術があり、海外に進出する企業も増えていると説明。「2024年度にぜひ訪問してほしい。高岡市全体で歓迎する」と述べ、招待状を手渡した。

 林氏は「来年の視察団編成を検討する」と前向きな姿勢を示し、「われわれ2人がそれぞれの団体で一番髪が白い。白髪代表の2人で仲良くしよう」と冗談を交え、笑顔で握手した。

 IEATの訪問団は、高岡市内の企業視察などを通じて技術協力、販路開拓などを検討する見通し。意見交換では林氏が、「高岡と台北は中小企業が多い。後継者不足の問題もあり、互いに提携、交流を続け、課題に取り組んでいきたい」と強調した。毎年12月にお酒の展示会を開催していることも挙げ、「高岡、富山の地酒をどんどん台湾で紹介したい。展示会には飲食、ホテル業者も参加するので、輸入につながるよう応援する」と高岡側の出品を呼び掛けた。

 夜は市内でIEATが晩餐会を開催し、林氏は「来年は必ず訪問団として高岡に行く。今から楽しみだ」と期待を膨らませた。

 IEATは台湾最大の貿易関連経済団体で、政府と貿易業者間の橋渡しを担う。1947年に設立され、会員企業は台湾全土に分布し、製造業、輸入業など6400社以上に上る。世界各国の商工団体と姉妹提携を締結しており、昨年、高岡商工会議所と経済交流促進に関する覚書を締結した。会員企業の製品の販路拡大などに取り組んでいる。

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