福井県12月補正予算案、経済対策33億円で賃上げ目指す 一般会計336億円、防災にも注力

本年度12月補正予算案について説明する杉本達治知事=11月24日、福井県庁
福井県12月補正予算案の主な事業

 福井県は11月24日、一般会計336億5200万円の本年度12月補正予算案を発表した。物価高対策などを盛り込んだ国の総合経済対策に対応し、電気料金高騰などの影響を受ける事業者の支援、省エネ設備導入や販売価格への転嫁などを促進する経済対策に33億5800万円を計上、企業の賃上げにつなげたい考え。

 防災・減災対策のため道路、河川改修などを前倒しで行う公共工事に281億1400万円を計上。12月補正としては前年度の332億円を上回り過去最大となる。補正後の総額は前年度比3.4%減の5746億8900万円。28日開会の定例県議会に提案する。

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 各業界の電気料金・燃料価格高騰への支援は、国の支援延長に伴い来年3月まで継続する。支援対象に、新たに県内のスキー場、スケート場の計3施設を加えた。

 新規事業として、医療機関や福祉施設の経営安定化に向け、食材費の高騰分や、省エネ効果の高い空調・換気設備などの導入を支援する。食材費は病院や有床診療所の1床当たり6400円、児童入所施設には1人当たり5500円を補助する。省エネ設備導入は200万円を上限に2分の1を補助する。

 物価高対策の財源は、国の地方創生臨時交付金を充てる方針。ただ、総合経済対策を盛り込んだ政府の補正予算案が臨時国会で審議中のため、同交付金の配分額が確定しておらず、福井県分を28億円と想定し、残りは一般財源を充てる。

 杉本達治知事は24日の記者会見で「物価高に賃金が追いついていない。(経済対策で)企業のコストを下支えし、利益を確保してもらって賃上げに結びつけたい」と話した。

 防災・減災対策の公共工事は、福井市の七瀬川の掘削工事や池田町のほ場区画整理、越前市の吉野瀬川ダム建設工事などを進める。猛暑対策などの農林業支援には1億9100万円を計上した。

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 県人事委員会の勧告を踏まえた職員給与費の増額分として14億7900万円を盛った。月給の上げ幅は行政職で平均0.88%(3125円)となる。このほか、県有施設の光熱水費などが本年度当初の見込みを上回るため、5億800万円を計上した。

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