国登録有形文化財に茨城・土浦市民会館 文化審答申 古典主義的な意匠

土浦市東真鍋町のクラフトシビックホール土浦(同市提供)

国の文化審議会(佐藤信会長)は24日、国登録有形文化財として、茨城県土浦市東真鍋町のクラフトシビックホール土浦(土浦市民会館)を含む計290件の建造物を登録するよう、盛山正仁文部科学相に答申した。同館が加わり、茨城県の国登録有形文化財(建造物)は計295件となる予定。

同館は1969年開館。建築面積2674平方メートル、鉄筋コンクリート造り3階建て。老朽化したが、大規模改修と耐震補強工事を経て、2020年にリニューアルした。建築家で建築音響工学の佐藤武夫氏が設計。シンプルな外観ながら、建物の南正面全幅を階段とし、10本の列柱が並ぶ。古典主義的な意匠が建物の記念性を高めている。

土浦市教育委員会によると、佐藤氏は名古屋市出身で近代日本建築の先駆者。手がけた代表的な建築は、早稲田大(東京)の大隈講堂や山口県岩国市の岩国徴古館。このほか、全国各地の文化会館、庁舎などを設計している。市教委文化振興課は「土浦市は県南の中心部。広く利用してもらおうと、優れた性能を持つ会館を建設するために佐藤氏に頼んだのでは」と推測している。全国の国登録有形文化財(建造物)は今回、290件が追加され、計1万4035件となる見込み。

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