沖縄県警、無効な取り締まり269件 「止まれ」の標識、公安委の承認がないまま3年設置 読谷村の交差点

 沖縄県警は24日、読谷村伊良皆の交差点で、適切な承認を得ないまま設置した「止まれ」の標識に基づいて道路交通法違反(一時停止場所不停止)を取り締まっていたと発表した。県警によると2020年の設置から約3年間で無効な取り締まりが269件あり、反則金は約187万円に上った。今後、対象者の違反を取り消し、反則金を返還する。

 現場は読谷高校正門前の県道6号と村道を結ぶ交差点。県警によると20年1~3月ごろ、公安委員会の承認がないまま、一時停止の標識を設置した。

 ことし11月6日に同交差点で取り締まりをした後、嘉手納署の署員が公安委に確認したところ、承認を得ていなかったことが発覚した。

 県警が管理する交通規制情報管理システムに、公安委から承認を受けたと誤表示されていたことが原因。20年に新システムが導入されたため、詳しい経緯は分かっていないという。

 標識設置から発覚まで3年間かかったことについて、県警の担当者は「公安委への確認が不十分だった」と述べた。

 対象者の違反点数は2点。反則金は大型車9千円、普通車7千円、二輪車6千円、原動機付き自転車5千円がそれぞれ課されていた。

 県警交通部の安里準交通部長は「県民の信頼を損なったことを真摯(しんし)に受け止め、再発防止に努める」とコメントした。今後、標識が適正に設置されているか総点検するという。

適切な手続きを経ずに設置されていた「止まれ」の標識(今年6月撮影のグーグルマップから)

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