牧之原市の送迎バス園児置き去り死事件…元園長ら2人を在宅起訴 遺族「一生許すことはできない」 静岡地検 

去年9月、牧之原市の認定こども園で、送迎バスの中に3歳の女の子が置き去りにされ死亡した事件で、静岡地検は元園長ら2人を業務上過失致死罪で在宅起訴しました。

去年9月5日、牧之原市の「川崎幼稚園」で、当時3歳の河本千奈ちゃんが、送迎バスの中におよそ5時間にわたり置き去りにされ、重度の熱中症で死亡しました。警察は当時バスを運転していた元園長の男(74)やクラスの元担任の女(48)ら4人を業務上過失致死の疑いで書類送検し、静岡地検が在宅のまま捜査を続けていました。

地検は24日、元園長と元担任の女をそれぞれ業務上過失致死の罪で起訴しました。起訴状によりますと、元園長は当時屋外の気温が高く、バスに園児が取り残された場合、車内の温度が上昇し、園児が熱射病となり死亡する危険があったが、園の責任者として園児全員の安全を確保すべき業務上の注意義務を怠り、バスに園児が取り残されていないか確認しなかったとされています。

また元担任の女は、千奈ちゃんが欠席しているにも関わらず、保護者に連絡を取らなかったなどとされています。

元園長らとともに書類送検されたバス補助員の女性(77)とクラスの補助職員の女性(27)について、地検は不起訴としました。「全証拠を総合的に検討した結果、起訴するに足る十分な証拠がないと判断した」と説明しています。

運営する学校法人榛原学園「安全で安心な園となるよう努力いたします」

川崎幼稚園を運営する学校法人榛原学園は「千奈さんのご冥福をお祈りするとともに、ご遺族に心より謝罪を申し上げます。二度と事故を起こすことのないよう、安全で安心していただける園となるよう努力いたします」とコメントを発表しました。

遺族「ようやく刑事裁判が始まると娘に手を合わせて報告できました」

一方、千奈ちゃんの遺族は弁護士を通して「ようやく刑事裁判が始まることを、娘に手を合わせて報告できました。どんな判決が下されようと、書類送検された4人と川崎幼稚園と運営法人は一生許すことはできません。裁判で心情や考えを述べたいと思います」とコメントを出しました。

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