テニス教室で男性倒れ意識不明 同じ受講生らが心肺蘇生「迅速で適切な判断、円滑な連係」で一命取り留め

感謝状を受ける杉原永俊さん(左)と岡嘉朗さん=淡路広域消防事務組合

 硬式テニスの教室を受講中に体育館で倒れ、意識を失った男性を救命したとして、淡路広域消防事務組合は、同じ教室の受講生、杉原永俊さん(74)=兵庫県洲本市=と、同市市民交流センターに感謝状を贈った。杉原さんは「考えるよりも先に自然と体が動いた」と振り返り、男性が一命を取り留めたことを喜んだ。(古田真央子)

 同事務組合によると、8月30日午後3時55分ごろ、同市宇原の同センター体育館で、同市在住の70代の男性が硬式テニス教室を受講中、突然倒れて意識を失った。近くにいた杉原さんは、男性が心肺停止状態になったことを確認し、すぐに胸骨圧迫を始めた。

 知らせを受けた同センターの職員は119番するとともに、自動体外式除細動器(AED)を手に体育館へ。男性に電気ショックを与えつつ交代で心肺蘇生を続けた。約10分後、消防職員が到着した時には心拍は再開していた。その後、男性は社会復帰できるまでに回復したという。

 10月末に同事務組合であった感謝状贈呈式には、杉原さんと同センター責任者の岡嘉朗さん(40)=同県南あわじ市=が出席。同事務組合の川上洋司消防長は「迅速で適切な判断と、円滑な連係による処置で人命救助に貢献した」と謝意を表した。

 岡さんは「これまで定期的に職場で救命講習を続けてきた。内容を思い出しながら対応できた」とほっとした表情で語った。

 杉原さんは「倒れたのは一緒にプレーしていた男性だったので、社会復帰したと聞いてほっとした。今後同じような場面に遭遇しても、また自分のできることをしたい」と力を込めた。

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