最南端の銭湯を一人で50年守り続けたことを評価 沖縄市の「中乃湯」に湯道特別賞

 沖縄県内で唯一残る沖縄市安慶田のゆーふるやー(銭湯)「中乃湯」が、長年入浴文化の発展を支えたとして「湯道文化賞」の湯道特別賞を受賞した。主催する湯道文化振興会(東京、小山薫堂代表理事)が24日、発表した。店主の仲村シゲさん(89)が、日本最南端の銭湯を一人で約50年守り続けたことを評価した。

 中乃湯は1960年ごろ、シゲさんの夫次郎さん(故人)が始め、84年に次郎さんが他界してからはシゲさんが一人で運営を続けてきた。湯道文化振興会は、入り口横のベンチで客とのゆんたくを日課にするシゲさんを「仲村さんのお人柄で地域の人々の体と心を温め、沖縄の銭湯文化を守り続けている」とたたえた。

 シゲさんは「私にこんな賞が当たるのかね。うんと頑張ってきたから、うれしいさ。生きている間は頑張りたい」と喜んだ。

 中乃湯は、6日に新スタッフの鈴木花奈さん(31)が加わり、若い力を得て8日から約15年ぶりに夜の営業を再開させた。

 同賞は昨年創設され、ことしは5部門で全国の6団体が選ばれた。(中部報道部・屋宜菜々子)

 

(写図説明)表彰状を手に喜ぶ「中乃湯」の店主・仲村シゲさん=24日、沖縄市安慶田

表彰状を手に喜ぶ「中乃湯」の店主・仲村シゲさん=24日、沖縄市安慶田

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