風水害に備え負傷者救護合同訓練 中国5県のDMAT 500人参加

合同訓練でけが人にトリアージを行うDMATのメンバーら

 台風などの風水害に備え、中国地方5県の災害派遣医療チーム(DMAT)でつくる「中国地区DMAT連絡協議会」は25日、岡山県内の病院や消防訓練施設で合同訓練を行った。

 2018年の西日本豪雨を念頭に、県南部に大型で強い台風が上陸し、土砂災害や浸水が発生、多くの負傷者が出た―との想定。DMAT60チーム約300人を含む計約500人が参加した。

 岡山市消防教育訓練センター(同市中区桑野)には土砂災害に巻き込まれ、横転したバスから約30人が運び込まれた設定で現場救護所を設置した。岡山、広島、山口の6チームが自衛隊や市消防局と連携してけが人に治療の優先順位を決めるトリアージや応急処置を実施。救急車などで各地の病院に搬送した。

 県庁の調整本部で統括役を務めた斎藤博則・岡山赤十字病院医療社会事業部長は「DMAT派遣要請のタイミングや浸水エリアの救急支援など、風水害特有の判断の難しさを再確認した。県民の命を守るため、今後に生かしたい」と話した。

 DMATは専門的な訓練を受けた医師、看護師らで編成。中国5県では4月現在、60の災害拠点病院に1159人が登録している。

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