勝ってJ1残留を決めた湘南、山口智監督は元同僚・大岩一貴の決勝ゴールに「ビックリ」も手応え「練習して来た形だった」

自力でJ1残留に導いた湘南・山口智監督[写真:©︎J.LEAGUE]

湘南ベルマーレの山口智監督が、J1残留を決めた横浜FC戦を振り返った。
【動画】湘南がJ1残留!試合を決めた大岩一貴のゴール

24日、明治安田生命J1リーグ第33節で湘南はニッパツ三ツ沢球技場で横浜FCと対戦した。

最下位の横浜FCと17位の湘南の直接対決。両者の勝ち点は「2」となっており、湘南は勝利すれば残留が確定する一方で、敗れれば降格圏転落という生死を懸けた戦いとなった。

試合は前半から横浜FCが押し込んでいく形に。湘南は左サイドを中心に攻め込もうとするが、我慢の時間が続いていく。するとゴールレスで迎えた49分、湘南は連続でCKを獲得すると、ショートコーナーからのミドルシュートを防がれるも、こぼれ球を大岩一貴が詰めて先制。その後は、横浜FCの反撃をなんとか耐え凌ぎ、0-1で勝利。自力で残留を確定させた。

試合後、山口監督は記者会見でゲームを振り返り、やるべきことをやれたと語った。

「非常に難しい戦いになると思っていましたし、相手の分析をする中で、ウィーク、ストロング、それ以上ものがあると思ってこのゲームに臨みみました」

「準備の仕方としては同じようにして来ていて、選手たちが理解をして表現してくれたと思います。あとは1点勝負になると思っていたので、我慢するところと行くところ。点を取ったところは練習して来た形だったので良かったと思います」

またシーズンを振り返り、「思い描いていた順位ではないですが、1つ残留を確定できたというのは繋がっていくと思うので、今日の試合は勝って決める。そこにフォーカスした試合でしたし、気持ちを出して戦ってくれた、プラス冷静さを見せてくれた試合でした」と語り、選手たちの奮闘ぶりを称えた。

予想もしていた中で、前半は耐える時間が続いていた。その展開について山口監督は「多少というか、若干思い描いていた守備の高さではなかったですけれども、想定する中で、選手の表情や声掛けを聞いていると、そんなに慌てることではなく、譲りながら我慢できているなと受け取って、無理にやろうとしなかったことは頼もしく感じました」とコメント。想定外のこともありながら、選手たちがしっかりと対応できていたことを評価した。

また「前半を0-0で終えるということはみんなの頭の中の認識だったので、難しい戦いの中で、後半どう点を取るか。選手は後半も含め、交代選手を含めて、難しい試合でしたけれども、よく感じて戦ってくれたなと思います」と語り、我慢をしながらもしっかりと1点を奪っての勝利を喜んだ。

決勝ゴールの大岩は、ジェフユナイテッド千葉時代にチームメイトだった1人。今季は苦しい戦いも続き、シーズン途中には欠場も続いた中でのゴールを喜んだ。

「本人も苦しみながら、僕も厳しく言ったり、非常に苦しいシーズンだったと思いますけど、逃げずにできるのも彼ですし、常に1点取ると言っていたので、決めてくれると思っていました」

「大事なところで冷静なシュートを打ってくれたので、ビックリしていますし、非常に大きな得点になったので、それは一貴が持っているものだと思いますし、逃げずにやっているところが出たところだと思います」

ベテランと若手が融合し、苦しいシーズンになりながらも積み上げたものもしっかりとある湘南。改めて残留が決まった上で、残り1節について山口監督は言及。「どういう終わり方をするのは、残留してホッとするのではなく、1試合をどう戦うか」とコメント。「この数試合より学んでいるところなので、また1つ課題が出た中で迎えることは大事かなと思います」と語り、シーズン最終戦、ホームで戦うFC東京戦へ意気込んだ。

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