荒木山西塚古墳 歴史解明に迫る 真庭で住民参加型調査2年目開始

 真庭市北房地域を代表する前方後円墳・荒木山西塚古墳(同市上水田、市史跡)で25日、2023年度の発掘調査が始まった。全国でも珍しい「住民参加型」として注目される2年間の事業の最終年度。住民らの手で古墳の規模と構造を判明させ、古代吉備北部の歴史解明に迫る。

 調査は同市を事業主体に同志社大と北房文化遺産保存会(74人)、一般募集のボランティア(41人)で進める。22年度に続き、4世紀に築かれたとされる西塚(全長63メートル)の後円部と周辺3カ所、新たに前方部の2カ所にトレンチ(試掘溝)を設定。前方部の形状や墳端を確認しつつ、これまでの調査で見つかった後円部の石列の巡り方も詳しく調べる。

 初日は保存会員を中心に約20人が前方部で作業。市教委職員と津村宏臣・同志社大文化遺産情報科学調査研究センター長の指揮の下、トレンチの表土を手ぐわで慎重に取り除き、土をふるいにかけ遺物の有無を確かめた。

 27日からはボランティアも加わり、来年3月上旬までを予定。保存会の畦田正博会長(73)は「大変だがやりがい十分。地域の貴重な古墳を次世代に伝えるため頑張りたい」と話した。

 西塚の隣には3世紀半ば~4世紀に築かれた全長47メートルの前方後方墳・東塚古墳がある。

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