ヴィッセル初V 三木谷氏「苦難があったからこそ大きな喜びがある」 経営引き受け20年目、2度の降格も

セレモニーであいさつする三木谷浩史会長=25日午後、神戸市兵庫区御崎町1、ノエビアスタジアム神戸(撮影・中西幸大)

 ヴィッセル神戸の会長で、楽天グループを率いる三木谷浩史氏(58)にとっても念願のリーグ初優勝となった。自身が経営を引き受けて20年目の節目。25日に神戸市内のホテルで開いた会見で「ようやくここまでこられた。神戸の歴史が変わった」と感慨に浸った。

 ヴィッセル神戸は発足以来、神戸市などが出資する市民クラブだったが、経営に行き詰まり、民事再生法の適用を申請。「このままでは消滅する」と聞いた三木谷氏が2004年、「赤字覚悟」で営業権を取得し、自身の資産管理会社の運営を経て15年から楽天傘下に収めた。元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタの獲得を主導するなど強化を図り、20年元日に天皇杯優勝。今回、リーグタイトルにも輝いた。

 2度のJ2降格など苦しい時期が長く、「苦難がいっぱいあったからこそ大きな喜びがある」と三木谷氏。「地域のみなさんに助けてもらった。少しは恩返しができた」と感謝した。(有島弘記、今福寛子)

© 株式会社神戸新聞社