鍵山、緊張の中「自分に集中」 完成度で故障からの復活V

男子フリーの演技を終えた鍵山優真=東和薬品ラクタブドーム

 両手を上げた最後のポーズのまま、鍵山は余韻に浸った。「自分に集中してできた」。後半のトリプルアクセルで転倒しても、気持ちは乱れなかった。3年前にGP初出場優勝を果たした思い出の大会で、左足首故障からの復活をアピール。2年前、初進出を決めながら新型コロナ禍で中止となったファイナルの切符をつかみ取った。

 宇野に5.31点のリードで迎えたフリー。「最終滑走は緊張した」という。4回転ジャンプは宇野の半数の2度ながら、最初のサルコーは4.30点もの加点を得る完璧な出来栄え。続くトーループも決めた。スピン、ステップは全て最高難度のレベル4。難度で劣っても、完成度で世界王者の追い上げを振り切った。

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