大相撲九州場所(福岡国際センター)14日目の25日、東十両5枚目の大の里は西十両13枚目の朝紅龍を押し出し、11勝目を挙げた。来年初場所での新入幕が決定的となり、昇進となれば所要2場所での十両通過となる。十両優勝は3敗で並ぶ大の里と琴勝峰の2人に絞られ、千秋楽で星が並べば優勝決定戦となる。大の里は「明日の本割の相手に集中するだけ」と表情を引き締めた。
デビュー場所から4場所連続で顔を合わせた朝紅龍との一番。幕下時代には2度敗れている「油断できない相手」を落ち着いて下した。立ち合いで右を狙うも左おっつけで防がれると、すかさず巻き替えて右上手を引いて前進し、一気に寄り切った。
琴勝峰との直接対決では既に大の里が敗れている。新入幕については「自分が決めることじゃない」と千秋楽に集中力を高める。「来場所にいいつながりができれば」と、十両優勝を手に幕内昇進を果たせるか。今年最後の一番に懸ける。
●遠藤9敗目、輝は連勝
東前頭8枚目の遠藤は同13枚目の宝富士に敗れ、9敗目。右おっつけで宝富士の左を封じようとしたが、前まわしを許す。右上手も引かれて圧力を受け、上手出し投げに屈し「特に気にしないで、明日に向けて準備する」と淡々と話した。
東十両3枚目の輝は同10枚目の天空海をすくい投げで下し、今場所初めての連勝で5勝目を挙げた。「ずっと前に出る意識だった」ともろ差しで前進すると、相手の捨て身の投げ技に体勢を崩すも左ですくって制した。「自分らしい相撲を取って1年を終えたい」と千秋楽を見据えた。
●元大関対決朝乃山が制す
東前頭筆頭の朝乃山(富山市出身、高砂部屋)は同2枚目の正代との元大関対決を制して3勝目を挙げた。2連勝として千秋楽へ「今年最後の一番、いい相撲で終わりたい」と気合を入れた。
●津幡で26日PV
津幡町は26日、大相撲九州場所で十両の優勝争いをしている町出身の大の里を応援するため、パブリックビューイング(PV)を同町文化会館シグナス2階視聴覚ホールで開く。時間は午後2時から。