冬の登山は足元から!愛用フットウェアとゲイターをキャンプ歴40年アウトドアライターが紹介

筆者撮影 雪山へ行くときのフットウェア。11足のうち6足は大好きなキーンです!

冬山をトレッキングする時に最も大事な装備とは何だと思いますか?防寒着、インナー、パンツ?何度も雪山に行く中で、僕が重要性を感じているのはフットウェアです。そこで今回は僕が愛用しているブーツやソックス、ゲイターを紹介します!ゲイターを使ったことがない人は、選び方も解説しているのでぜひ参考にしてみてください。

冬の防寒対策は足元から!愛用のフットウェアを紹介します

筆者撮影 雪山へ行くときのフットウェア。11足のうち6足は大好きなキーンです!

僕は仕事で長靴を履いているのですが、ツルツル滑る上に、寒さのため長靴がひび割れて濡れてしまったことがありました。

さらに、上から雪が入ってきて足にしもやけができたり、外側から冷えて足の感覚がなくなってしまったりと、足元の重要性は身を持って体験してきました。

アウターは寒ければ着て、暑ければすぐに脱げます。また、ファスナーで体温をコントロールできるので自由度は高いのですが、フットウェアは簡単に履き替えることができないので最も重要なギアだと思っています

まずは、冬山でのフットウェアの使い分けをお話したいと思います。

【スパイク付き長靴・ブーツ】凍った路面で効果絶大

筆者撮影

フワフワなパウダースノーや道なき斜面を登ったり、ガリガリに凍った川を渡河したりするのに絶対的に信頼しているフットウェアはスパイク付き長靴です。

これで舗装路を歩くと「ガチャガチャ」と音がして歩きにくいですが、凍結した路面では敵なしです。もちろん凍結だけでなく、岩盤や足掛かりの悪い岩場でも重宝しています。

筆者撮影

こちらはキーンのスノーブーツですが、かかとの部分にスパイクが内臓されています。凍結していない路面ではスパイクをたたんで普通の防寒靴として、凍っている所ではスパイクを出すことで滑らず安全に歩くことができます。

ただ、スパイクはかかとにしか付いていないので、ガシガシ歩行するというイメージではなく、転ばぬ先のスパイクという感じで、いざという時のためのお守りとして普通の路面をメインに使っています。

欠点としては、若干重いのと、かかと部分のソールが硬いので、舗装路では少し疲れてしまうこと。それでも安全に歩けるので重宝しています。

【ソックス】雪山の強い見方!『クロロプレーン』

長靴は雪の中を歩いていると、どんどん底から冷えてきて足の先の感覚がなくなってしもやけになってしまいます。

また、長靴の上から雪や水が浸入してきます。一度濡れてしまうとどんどん冷えてしまい1日中辛い思いをすることに……!

そんな時の対策として、おすすめするのがこちらのクロロプレーンです。

筆者撮影

『ネオプレーンのほうが知っている方が多いとは思いますが、『ネオプレーン』は商品名なので、一般名称として『クロロプレーン』と呼ぶことにします。

ウエットスーツの様なスポンジ状のクロロプレンゴム素材でできていて、濡れた状態でも高い保温性を発揮します

これを履くと長靴が冷え切ってしまっても、足は暖かく汗や水で濡れても冷えることがありません。一度履いたらもう手放せなくなりますよ。

ひとつだけデメリットをお伝えすると、生地が厚いため、1サイズ大きめの靴でないと、きつくて足が痛くなる可能性があります。購入の際は靴とあわせて試着しましょう。

釣り道具屋さんに行くと、意外と安く高機能なものが手に入ります。海風に吹かれて1日中じっとしている釣りが最も過酷な趣味かもしれません。そんなお店で売っているアウターやインナーなども、安価で高機能なものが多いのでよく利用しています。

【暖かさ重視のブーツ】冬用ブーツの定番『SOREL(ソレル)/カリブー』

筆者撮影

左側のブーツは、ウィンターブーツでお馴染みの『ソレル/カリブー』!防寒靴の名作です。

保温機能限界温度は-40度、履けばわかる暖かさ。アッパーには防水シームシールが施してあり、水の浸入を防いでくれます。2.5mmのフェルトミッドソールと着脱可能な9mmのフェルトインナーブーツが寒さをシャットアウト!まさに防寒のために作られた1足です。

筆者撮影

山小屋や雪中キャンプではインナーを取り外してルームシューズとして履いたり、インナーだけ洗ったりできるので、取り外せることのメリットは意外と大きいのです。

ただ、カリブーにもデメリットがあって、それは重くて大きく柔軟性に欠けることです。僕のサイズは27cmなのですが、カリブーを履いてしまうと靴のサイズが大きすぎてスノーシューやゲイターが装着できなくなってしまうんです。

さらに重くて硬いので、長距離を歩くときには注意が必要ですね

【愛用ブーツ】アウトドアのお供はやっぱり『KEEN(キーン)』!

筆者撮影 キーンの冬用ブーツ

僕は1年中キーンの靴を履いています。甲高幅広というthe日本人足の僕には、キーンが一番合っていてお気に入りなんです。

この写真は僕が冬に履くキーン達です。家を出るところから雪山のトレッキング、スノーシューを履いた雪遊びもこのシューズだけでOK!

ゴアテックス素材で防水なのは当然として、全体的に柔らかで歩きやすく、履き心地も抜群。さらに、つま先は「トゥ・プロテクション」と呼ばれる硬いゴムで覆われているので指を守ってくれます。

かかとも「シェルバック」と呼ばれる硬いゴムが何段か重ねられ、スノーシューやスパイクを取り付けるストラップ等がずれにくい構造になっているのです。

ソールは暖かい日は軟らかくクッション性が良くなり、寒い日には硬くなって雪や氷に食いつく「デュアルクライメートラバー」が使用され、機能性と快適性を両立させた素晴らしいシューズなのです。

筆者撮影

しかも、どの靴もシューレースが始まる甲の部分にDリングが付いているんです。これはゲイターと組み合わせる事を想定しているのです。これ、意外と知らない方が多いのではないでしょうか?

筆者撮影

ゲイターの前部にはフックが付いていて、このDリングをを引っかければ、歩いている間にゲイターがずり上がってくることがないようになっているんです。皆さん知っていましたか?

逆に言うと、ここにDリングが付いている靴はゲイターが装着できるので、雪山に行くことを想定した、防寒・防水がしっかりと考えられている靴だということなんです。

この後ゲイターについて解説するので、ぜひ組み合わせて使ってみてください。

トレッキングに欠かせないゲイター!選び方と愛用品を紹介します

筆者撮影

それでは、ここからはゲイターについてお伝えしていきます。

ゲイターとは?

足と靴の隙間を覆うように装着するギア。泥や水で裾が汚れるのを防いだり、靴の中へ砂利や雪の浸入を防いだりしてくれる役割があります。

雪山をトレッキングしている時に靴の中にいつの間にか雪が入ってきて、靴下が濡れてしまって体が冷えてしまった経験はありませんか?登山している時、靴の中に小石が入ってしまって痛い思いをした経験は?

そんな不快な思いを解消してくれるのがゲイターなのです。

ゲイター、スパッツ、ゲードル、脚絆、全く同じ物ではないものの、ほぼ同じ機能を持ったものを指します。

昔は帯状の物を足首からふくらはぎまで巻いて締めつけて、鬱血を防ぎ脚の疲労を軽減する等の目的もありましたが、今では主にズボンの裾を押さえ、足首を保護して雪や砂、小石が靴に入り込まない様にするアイテムとして使われています

春から秋にかけてはパンツの裾を枝や汚れから守ってくれますし、砂利や砂が靴の中に入り込んでくるのを防いでくれます。雪の中を歩くときは靴の中に雪が入るのを防いでくれますし、防寒にも一役かってくれる、意外と1年中出番のある万能なギアなんです

[ 画像が省略されました ]

僕は家の周りで雪が降った時にも、普段履いているキーンの靴にゲイターを装着してワンコ達の散歩をします。

ゲイターの選び方

靴の中に雪や砂利を入れないために、ゲイターの選び方は重要です。歩いている間に下がってきたり、逆に雪でずり上がってきたり、靴とゲイターの間から中に雪が入ってきたりするものは選んではいけません。

また、短すぎてゲイターの上から雪が入ってきたり、濡れて中までベチャベチャになったりするゲイターも意味がありません。

そこで、ゲイター選びでは以下の2点に注意してください。

ポイント①長さ

ゲイターの長さは主にショートとロングの2種類あるので、用途に合わせて選びましょう。

ショートは足首周りの保護を目的としていて、雪のないシーズンの登山で装着される方が多く、動きやすさを重視しています

一方ロングはひざ下までを保護し、雪山登山に着用することを前提に考えられています。保温性も高く雪でゲイターが動いてしまわない様にしっかりとした作りの物が多いのが特徴です。

ポイント②素材

ゲイターの素材は主にゴアテックス・ナイロン・ソフトシェルの3種類です。

ゴアテックスは撥水、防水、透湿性能に優れており、雪や雨の進入を防ぎつつ蒸れにくいので非常に使い心地が良い素材です

ナイロン素材は価格の安さと耐久性の高さが魅力。ソフトシェルはしなやかで追従性が良く動きやすいのが特徴です。

[ 画像が省略されました ]

僕のおすすめは、ピッタリとフィットした膝下まであるゴアテックスのゲイターです。高機能なのはもちろんなのですが、足が長く見えてカッコいいんですよね。

私の愛用ゲイターは『TUBBS』と『BERGHAUS』

筆者撮影

ここでは僕が所有している2種類のゲイターを紹介します。右は以前使っていた『TUBBS』、左は現在メインで愛用している『BERGHAUS』です。

愛用ゲイター①TUBBS

TUBBSはアメリカのメイン州ノルウェイという町で設立され100年以上の歴史を持つアメリカのスノーシューメーカーの老舗。

一般的なナイロン製のゲイターで、スノーシューを購入した時に一緒に購入しました。

筆者撮影

マジックテープで前面を留める仕様になっていて、靴を履いていても装着可能です。膝下はワンタッチで留められるようにバックルが付いています。

筆者撮影

ゲイターがずり上がってこないように土踏まずの部分に通すゴムがあるのですが、これが弱く、使っている間に伸びて切れてしまうことだけが弱点です。

全体的に緩いシルエットで、生地もやわらかく、装着感はほとんど感じず快適に使えます。

愛用ゲイター②BERGHAUS

筆者撮影

BERGHAUSは1960年代にイギリスのベテランクライマーによって登山用品店として生まれ、1970年代から登山用品を設計・製造・販売を開始したメーカーです。

この製品はゴアテックス素材の生地を3層構造にして作られているため、とても暖かいのが特徴です。

筆者撮影

前面がマジックテープになっていて靴のまま履ける構造で、上部はボタン留めになっています。非常にタイトなシルエットで生地も硬く厚いため、ズレてくることもありません。

足にフィットしてとても暖かいのですが、湿気が篭ることもなく、快適にトレッキングを楽しむことができて気に入っています。

筆者撮影

ゲイターが雪で上がってこないよう、土踏まずに通す帯は非常に強度のあるナイロン素材が使われていて、長さも調整も可能です。

ゲイターは1年中使える!ブーツやソックスに加えてゲイターも取り入れてみよう

今回は僕の愛用フットウェアをご紹介しました。ゲイターと聞くと過酷な登山や雪山用でオーバーなものだと思っている方も多いかもしれません。しかし、ゲイターは大げさなものではなく、とても機能的で役に立つアウトドアギアです。ぜひ皆さんも一度試してみてください。きっと手放せないギアのひとつになると思います。

【注目リリース】OUTDOOR RESEARCH(アウトドアリサーチ)のゲイターに新モデルが登場! - ハピキャン|キャンプ・アウトドア情報メディア

© ハピキャン