姫島車えび養殖の新拠点「種苗生産センター」完成 来年2月ごろから本格稼働【大分県】

完成した姫島車えび種苗生産センターの外観=姫島村
8面ある稚エビの育成槽
8面ある稚エビの育成槽

 【姫島】姫島村に新しい「車えび種苗生産センター」が完成した。クルマエビ養殖用の稚エビを育てる施設で、試験運転を経て来年2月ごろから本格稼働する予定。村の基幹産業の拠点として、関係者は期待を寄せている。

 センターはクルマエビを卵からふ化させ、約2センチの大きさまで育てる施設。島西部にある従来施設の老朽化に伴い、村が東に約5キロ離れた海岸沿いに整備した。国と県の補助を受けて、約7億円をかけた。

 鉄筋平屋で約1270平方メートル。井戸からくみ上げた海水を紫外線で滅菌処理し、温度を自動で調節しながら8面ある育成槽(縦約9.5メートル、横約8.5メートル、深さ約2メートル)に注水し、稚エビを育成する。その後、村内13カ所の養殖池に移して出荷できる大きさまで成長させる。

 センター運営とクルマエビの養殖・販売を担う村の第三セクター「姫島車えび養殖」によると、センターでは従来施設と比べて約35%増の年間1600万匹を育てることができる。

 同社は今期、東京や大阪、福岡など大都市を中心に昨期並みの約100トンを出荷し、7億円の売り上げを目指している。

 松原幸一社長(74)は「村内で一番水がきれいな場所に建ててもらい感謝している。クルマエビ事業をますます盛り上げ、雇用も生み出していきたい」と話す。

 23日に現地であった完成式典では、佐藤樹一郎知事、藤本昭夫村長らがテープカットをして祝った。

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