秩父の夜空に響く“冬の音”…6町会のリズム、連綿と 12月2、3日に秩父夜祭 「太鼓ならし」始まる

軽快に太鼓をならす、たたき手たち=25日午後6時半ごろ、秩父市金室町の下郷公会堂

 埼玉県秩父市中心部で12月2、3日に行われる秩父神社の例大祭「秩父夜祭」(ユネスコ無形文化遺産)を前に、山車を所有する各町会の「太鼓ならし」が本格的に始まった。下郷町会は25日午後6時ごろ、下郷公会堂に約200人が集合。たたき手たちが「ドコドンテケテケ」と軽快なリズムで太鼓をならし、本番に向けて士気を高めた。

 秩父屋台囃子(ばやし)の練習会を指す「ならし」は、太鼓を鳴らす、太鼓の皮を馴(な)らす、腕を慣(な)らすが由来。本番の約1週間前から、屋台を持つ上町、中町、本町、宮地と、笠鉾(かさぼこ)を持つ中近、下郷の計6町会による練習が始まり、夜の市街地一帯は大太鼓、小太鼓、笛、かねの音色が鳴り響く。

 下郷大行事長を務める斉藤武志さん(60)は「秩父屋台囃子は、町会ごとに独特のリズムがある。先人たちが守ってきた『ならし』を、今の子どもにもしっかり伝えていきたい」と話していた。

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