〝甲子園の夏〟取り戻せ 20年中止の代替イベント 茨城代表 土浦湖北OB「全国1勝を」

母校で「あの夏を取り戻せ 全国元高校球児野球大会」への意気込みを語る土浦湖北高野球部OB=土浦市菅谷町

コロナ禍で戦後初めて中止となった高校野球の2020年夏の甲子園大会。3年前の夏を取り戻そうと、当時の高校3年生だった元球児らが企画運営する「あの夏を取り戻せ 全国元高校球児野球大会」が29日から12月1日、甲子園球場などで開かれる。茨城県代表として出場するのは土浦湖北高OB。参加する元球児たちは「憧れの舞台で『あの夏』を思い切り楽しみたい」と意気込む。

イベントには20年夏に各都道府県大会の代わりに開催された独自大会の優勝校や上位校を中心に42チーム(合同チーム含む)、約700人が参加予定。

茨城県の20年独自大会はコロナ禍による日程制限と雨天で決勝まで実施できず、4強に入った土浦湖北、霞ケ浦、水戸啓明、明秀日立の4校が1位扱いとなっていた。イベントには、くじで土浦湖北高の代表出場が決まった。

同校からは当時の3年生21人のうち17人が参加予定。ほとんどが甲子園球場に行くのは初めてだ。常磐大3年の荒木嶺臣(れおん)さん(21)は「観客として行く機会もあったが、自分の力で行きたかった。ようやく憧れの聖地に行ける。全国で1勝を挙げたい」と晴れやかな笑顔で語る。

同大3年の大隈聖蓮(せれん)さん(21)は当時を「やり切れない思いだった」と振り返り、「あの夏に県立高ナンバーワンを果たし、3年越しに仲間と高校時代のユニホームを着て夢舞台に立てるのはうれしい」と目を輝かせる。

イベントは29日、甲子園球場に全チームが集まって入場行進やシートノック、記念セレモニーを実施。同日から12月1日まで、甲子園を含む兵庫県内の球場で交流試合が開催される。

土浦湖北高OBは組み合わせ抽選の結果、姫路市のウインク球場で30日、クラーク記念国際高OB(北海道)との対戦が決まった。当時副主将で法政大3年の大貫飛翔(つばさ)さん(21)は「全国大会でないと戦えない相手」と胸を躍らせる。

OBの多くは現在も野球を続けているが、当時のメンバーで白球を追うのは卒業後初めて。大貫さんは「当時、日々の当たり前が決して当たり前でないと知った。開催に感謝し、最高の舞台をみんなで楽しみたい」とチームの思いを代弁した。

夏季県高校野球大会準々決勝で完封勝利し、マウンドで喜び合う土浦湖北ナイン=2020年8月5日、水戸市見川町のノーブルホームスタジアム水戸

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