小学校の放課後補習、先生は「先輩」 ボランティアの中学生が指導

プリントに取り組む小学生と目線を合わせ、質問に答える中学生(右)たち=京都府南丹市美山町・美山小学校

 京都府南丹市美山町の美山小学校で、放課後補習の学習ボランティアを美山中学校の生徒8人が務めている。児童は年の近い先輩に気軽に質問し、楽しく学ぶ。中学生にとっても、分かりやすい説明を工夫することで思考力が高まる上、「分かってくれた時の顔がうれしい」とやりがいを感じている。

 補習は全学年のうち希望する約25人が週1回45分間、プリントで基礎を復習する。従来は住民ボランティアらが答案の丸付けや質問への対応をしてきた。

 10月中旬からは部活動や文化祭が終わり、放課後の時間が空いた美山中学校の3年生も加わっている。身近な先輩として寄り添ってもらい、中学生の理解も深まるとして同小学校・中学校の学校運営協議会が企画し、有志を募った。

 生徒たちはかがんで小学生と目の高さを合わせて助言。国語の問題文を理解できない児童には言い換えや身ぶりで解説し、面積や角度を求める算数の問題も、プリントに書かれた図形の上で指を差して丁寧に教えた。

 同中学校の男子生徒(15)は「教えるのが好き。地域のためにもなるので参加した。難しい言葉を使わず説明するのは難しい」と話した。同小学校4年の女子児童(10)は「中学生が来ると盛り上がって、勉強が楽しい」と喜んだ。

 中学生は11月末まで補習に参加する。

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