山下美夢有が制した3つ巴の女王争い 海外メジャーも絡んだ軌跡を追う

◇国内女子メジャー◇JLPGAツアー選手権リコーカップ 最終日(26日)◇宮崎CC(宮崎県)◇6497yd(パー72)◇天候晴れ(観衆3837人)

メルセデスランキング1位で最終戦を迎えた山下美夢有が大会連覇で締めくくり、2年連続の年間女王を決めた。昨季は最終戦の2週前「伊藤園レディス」で早々に初戴冠を決めたが、今季は申ジエ(韓国)、岩井明愛を加えた3人がタイトルの可能性を残して最終戦までもつれこむ展開に。白熱の争いを演じたトップ3の推移を振り返る。

■山下が6月までに4勝を挙げて独走態勢に

4月「スタジオアリス女子オープン」で今季1勝目を飾った山下美夢有(撮影/奥田泰也)

3月の開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」を制した申が序盤戦をリード。山下はややスローペースでの入りとなりながら、第6戦「スタジオアリス女子オープン」で今季1勝目を飾ると、翌週に初めてランク1位に浮上する。その後はトップを譲る時期が続いたが、5月「ブリヂストンレディス」、「リゾートトラストレディス」と4日間大会で連勝して600ptを加算。1位に再浮上して一気に独走態勢を築く。

さらに山下は6月「ニチレイレディス」で今季4勝目を飾り、ランク2位につけていた岩井千怜に588.84ptのリード。この時点でランク3位の申にもシーズンを通じて最大となる736.15pt差をつけていた。

■申が海外メジャー2試合で荒稼ぎ

申ジエが8月の海外メジャー「全英」3位でメルセデスランクトップに浮上(撮影/村上航)

山下の独走にストップをかけたのが、国内ツアーよりも付与ポイントの多い海外メジャーで好成績を収めた申だった。7月「全米女子オープン」を2位タイで終えて420ptを加えると、8月「全英女子」でも単独3位に入り360ptを加算。約3カ月ぶりにランク1位に再浮上し、以降は山下とのマッチレースが続いた。

■岩井が連続Vでトップ2に急接近

岩井明愛は9月の2連勝でトップ2に接近した(撮影/松本朝子)

ランク3位につけながらも山下と申に離されていた岩井だったが、秋口に入り急加速する。いずれも3日間大会の9月「住友生命レディス東海クラシック」と「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」で連勝して400ptを加算。トップの申に111.15pt差まで詰め寄り、翌週の「日本女子オープン」終了時点で山下を抜いて2位に浮上。ポイントレースは3つ巴の争いに変わった。

■山下がラストスパート 最終戦連覇で女王争いを制す

最後まで強さを見せつけた(撮影/村上航)

申を160.82pt差で追っていた山下が10月「マスターズGCレディース」と「三菱電機レディス」で連続2位に入り、約2カ月半ぶりにトップの座を奪還する。以降はその座を守り続け、ランク2位の申に57.13pt差リードで迎えた最終戦では今季5勝目となる大会連覇を達成。2年連続の年間女王を決めた。

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