「一番手ごわくて、一番楽しい瞬間」 金谷拓実は中島啓太の賞金王を称える

金谷拓実は7位で終戦。最終戦へ逆転賞金王の可能性を残せなかった(撮影/中野義昌)

◇国内男子◇カシオワールドオープン 最終日(26日)◇Kochi黒潮CC(高知)◇7335yd(パー72)◇晴れ(観衆2820人)

約4033万円差の賞金ランキング2位につける金谷拓実は、通算10アンダー7位で大会を終了。次週の最終戦に逆転賞金王の可能性を残すにはランク1位の中島啓太よりも上位に入ることが必須だったが、中島に2打及ばなかった。

プレーを終えると、先にホールアウトしていた中島と健闘を称え合い、「1年間、本当に強かった」と祝福した。今大会を終えた2人の賞金差は約4382万円。次週のシーズン最終戦「日本シリーズJTカップ」を前に、逆転の可能性は途絶えた。

中島に2打差をつけて首位から出た最終日は、「優勝しかない状況で、前半スコアを崩してしまった」と2番(パー3)でダブルボギーが先行。7番(パー5)は3打目をピンに絡めてバーディを奪ったが、8番(パー3)からの2連続ボギーで通算7アンダーに後退する。この時点で、3組前の中島は通算11アンダー首位にいた。

後半は10番からの連続バーディなどで盛り返したが、中島が18番(パー5)でイーグルを奪取。金谷は16番のボギーで後退し、最終ホールに入った時点で3打差がついていた。

アマチュア時代からJGAナショナルチームのメンバーとして、ともに海外を転戦。プロ転向後も、ツアーの舞台で何度も優勝を競ってきた。「彼とプレーするときが、国内では一番手ごわい。でも一番楽しい瞬間でもあった」と振り返る。

「彼の高い志だったり、ゴルフに取り組む姿勢がずば抜けているのは見てきた。人柄や、ゴルフだけじゃない彼の素晴らしさも僕は大好きなので」と、こみ上げる悔しさを堪えてライバルを称えた。(高知県芸西村/谷口愛純)

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