茨城・笠間で鳥インフル疑い 養鶏場7万羽飼育 陽性なら殺処分へ【更新】

笠間市内の高病原性鳥インフルエンザ疑い事例について説明する棚井幸雄課長(左から2番目)=水戸市笠原町の県庁、26日午後7時半ごろ

茨城県は26日、笠間市の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザの疑いがある事例が発生したと発表した。遺伝子検査で陽性と確定すれば、飼育する採卵鶏約7万2千羽を殺処分し、養鶏場から半径10キロ圏内の農場で移動や搬出を制限する。養鶏場での発生は佐賀県に続き全国で今季2例目となる可能性がある。

県によると、26日午前11時ごろ、養鶏場の管理者から「鶏が約450羽死んでいる」と、県北家畜保健衛生所(茨城県水戸市)に通報があった。13羽を簡易検査したところ、11羽で陽性を確認した。

遺伝子検査(PCR)の結果は、27日朝に判明する見込み。陽性の場合、県内の養鶏場では今季初めてとなり、県は同日午前にも殺処分を開始する。

養鶏場から半径3キロ圏を卵や鶏の移動を禁止する「移動制限区域」に、同3~10キロ圏の移動を制限する「搬出制限区域」に設定する。県は対象となる農場や飼育羽数を現在確認している。

茨城県の採卵鶏飼育数は2022年2月時点で、約1514万羽で全国1位。昨シーズン(11月~今年2月)は、かすみがうら、笠間、城里、八千代、坂東の5市町で6件発生し、計約430万羽が処分された。県は養鶏場に防除を指導するなど対策を徹底してきた。県畜産課の棚井幸雄課長は「昨季、本県で多く発生し、対策を徹底してきただけに疑い事例の発生は残念」と話した。

佐賀県鹿島市の養鶏場では25日、今季全国初となる鳥インフルエンザウイルス感染が確認されている。

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