〈いしかわ百万石文化祭2023〉文化絢爛、壮大に幕 成果継承、郷土発展を

国民文化祭の大会旗が次回開催地である岐阜県の古田知事に渡された閉会式=金沢市の石川県立音楽堂

  ●44日間151事業

 いしかわ百万石文化祭2023(第38回国民文化祭、第23回全国障害者芸術・文化祭)の閉会式は26日、金沢市の石川県立音楽堂コンサートホールで行われた。全19市町で44日間にわたって151の事業を展開し、文化立県石川の奥深さを伝えた文化絢爛(けんらん)の祭典は壮大なフィナーレを迎え、出席者は閉幕後も大会の成果を継承し、郷土の発展につなげることを誓った。

 閉会式のあいさつで、県実行委員会長の馳浩知事はふるさとが文化一色に染まったとし「石川の文化・芸術の力を国内外に届け、県民が郷土への愛着、誇りを実感する大会になった」と話した。

 来年1月から県内でスタートする日中韓3カ国の都市交流事業「東アジア文化都市」を皮切りに、ポスト国民文化祭の取り組みに力を注ぐとした。

 一般財団法人県芸術文化協会会長の飛田秀一県実行委員会文化芸術顧問(北國新聞社会長)は、芸文協の「ビエンナーレいしかわ秋の芸術祭」を国民文化祭の連携事業としたことで相乗効果が生まれたとし「県民総参加で文化絢爛の舞台を盛り上げたのは大きな成果だ」と振り返った。

 さらに、前回開催後の1996年に誕生した芸文協が県と一体で取り組んだ意義は大きいとし、今回の盛り上がりを郷土の発展に生かすため、ポスト国民文化祭の方向性や中身を検討し、実行に移すよう呼び掛けた。

 主催者として、合田哲雄文化庁次長と辺見聡厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長もあいさつした。大会旗が馳知事から次回開催地である岐阜県の古田肇知事に渡された。アトラクションとして、同県の「郡上おどり」が披露された。

 式典の冒頭には、オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)が広上淳一OEKアーティスティック・リーダーの指揮で「フィガロの結婚」の序曲を奏でた。金沢市出身の声楽家直江学美さんが国歌を独唱した。

文化の継承と発展への思いを示したグランドフィナーレ

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