先発補強を狙うヤンキース 山本、モンゴメリー、モンタスに興味

ヤンキースがFA市場で注目している部門の1つが先発投手だ。今季の先発防御率はメジャー18位の4.44だったが、満票でア・リーグのサイ・ヤング賞を受賞したゲリット・コールを除くと、その数字は5.08に跳ね上がる。コール以外に2ケタ勝利や規定投球回をクリアした投手は1人もおらず、エースの孤軍奮闘ばかりが目立っていた。オフに入ると、ドミンゴ・ヘルマン、フランキー・モンタス、ルイス・セベリーノらがFAに。現状でも最低限の頭数は揃っているが、地区4位に終わった今季からの巻き返しに向け、先発補強が急務となっている。

ヤンキースが現有戦力だけでローテを組む場合、コール、カルロス・ロドン、マイケル・キング、クラーク・シュミット、ネスター・コルテスという顔ぶれになる。シュミットは今季チームで2番目に多い159イニングを投げて9勝を挙げたが、防御率は4点台後半だった。キングは先発転向後に好投したが、メジャーでの先発経験は通算19試合しかない。ロドンとコルテスはオールスター・ゲーム選出経験のある実力者だが、今季は故障の影響もあって満足に稼働できなかった。

そうした状況のなかで、ヤンキースはコールを支える先発2番手の獲得を狙っており、山本由伸に対して強い関心を示していることは周知の事実だ。とはいえ、山本にはメジャー30球団の半数近くが興味を示していることが報じられており、十分な資金力を持つヤンキースであっても獲得できる保証はない。

「ニューヨーク・ポスト」のジョン・ヘイマン記者によると、ヤンキースは先発投手の補強ターゲットをある程度絞り込んでおり、現時点で興味を示しているのは山本、ジョーダン・モンゴメリー、モンタスの3人だという。

今季レンジャーズのワールドシリーズ制覇に貢献したモンゴメリーは、山本獲得に失敗した場合の「プランB」という位置づけだと思われる。プロ入りから2022年途中までヤンキースに在籍していたモンゴメリーだが、ヤンキース在籍時の評価はそれほど高くなく、2022年途中にハリソン・ベイダーとのトレードでカージナルスへ放出。モンゴメリーはその後、先発1~2番手クラスの先発投手へと進化を遂げ、ヤンキース退団後の1年半で252回1/3を投げて防御率3.17をマークしている。ポストシーズンでの活躍ぶりも記憶に新しい。

一方、モンタスは先発2番手候補というよりは、先発3~5番手候補という扱いになるだろう。ヤンキースはアスレチックスのエース格として活躍していたモンタスをモンゴメリー放出の前日に獲得したが、モンタスは右肩の故障の影響もあり、ヤンキース移籍後は満足に稼働できなかった。今季の登板はわずか1試合。しかし、2021年にサイ・ヤング賞投票で6位にランクインした実績もある投手であり、ヤンキースはもう1度チャンスを与えることを検討しているようだ。

もし3人中2人を獲得できれば、キングやシュミットをフアン・ソト(パドレス)のトレードの駒として使えるようになる。大黒柱のコールの負担を軽減するためにも、強打者補強のためにも、まずは先発補強を狙い通りに成功させたいところだろう。

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