「成長の鍵握る」外国人就職支援 求められる“労働力”

外国人向けの就職・転職を支援するイベントが11月24日開催されました。企業からは、外国人人材が「今後の成長の鍵を握る」との声が上がる一方で、参加者からは就職活動の難しさを訴える声も。

記者:「人材を募集している企業の説明会や、就職支援のセミナーなどが行われるこのイベント。多くの外国人が集まっています」

出展者と参加者あわせて100カ国以上から約6000人が集まった、外国人のための就職支援イベント。働き手を求める企業の説明に、真剣な表情で話を聞く外国人たちの姿がありました。

インド人参加者:「一つの場所で多くの企業を見ることができるから、このジョブフェスは自分にとっていい機会と思っている」
中国人参加者:「わたしは今特にやりたいことがないので、どんな仕事がいいのかもわからないから仕事を探しています」

厚生労働省によりますと、日本で働く外国人は180万人を超えています。その数は過去最高を更新していて、外国人労働者全体の27.4%が都内で働いています。今やなくてならない外国人の戦力。しかし、課題も・・・。

アンナさん:「イタリアの商品か日本の商品の貿易に関する仕事見つけたらうれしいです」

日本で「母国イタリアとの架け橋になるような仕事をしたい」と、貿易関係の職を探すアンナさん。「言葉の壁」から、日本での就職活動が難航していると話します。

アンナさん:「イタリアでも面接は緊張するから、ほかの言語にするのはもっと難しいです。正しい言い方を使うことが難しいです」

一方、企業側は人手不足解消に外国人の労働力を期待しています。

不動産管理業:「(外国人人材は)非常に勤勉ですし、知識・技術を習得する意識が高いですよね。企業の成長を握っているのは外国人材であり、外国人材をしっかり使える経営者・企業だと思います」

介護業:「サービスを受ける入居者や施設がどういう反応するか、とても心配していたけど、入居者にとっては外国人の簡単でゆっくりな日本語が聞きやすい、安心するというようなことを言ってくれる入居者もいて、外国人の人たちに介護の仕事をぜひやっていただきたい」

主催者は、受け入れ態勢の構築が最も重要だと話します。

主催者:「外国人人材の活用は非常に重要で、より多国籍な方の理解をして働きやすい環境を提供するということを作っていかないと、なかなかいま円安の問題とか他の国のほうが賃金が高い状況で日本が選ばれにくくなっている課題もあるので、社会全体でも一企業の取り組みでも努力をする必要がある」

働き手不足がうたわれる今、外国人労働者の力がますます重要になってきています。ただ外国人の参加者からは「言葉の壁」で就職活動が難しいという声も聞かれました。

その一方で介護業界からは、日本語が伝わらない経験がある外国人は言葉以外で相手を知ろうとする人がとても多く、介護の仕事は言葉が話せない人とのやりとりもあることから、言葉以外のコミュニケーションができたり、感情をうまく伝えられない人の気持ちに寄り添ったりできる、外国人はとても介護の仕事に向いていると話していました。

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