日大副学長、林理事長を提訴 パワハラ被害を主張「辞任強要」

日本大の沢田康広副学長

 日本大アメリカンフットボール部の薬物事件を巡り、沢田康広副学長が27日、辞任を強要されるなどのパワハラを受けたとして林真理子理事長に1千万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴した。関係者への取材で分かった。

 訴えなどによると、薬物事件の対応に当たっていた沢田副学長は、事件後の8月から9月にかけ、合理的な理由なく学内の幹部会議などへの参加を禁じられた他、9月上旬には林理事長から辞任を要求された。こうした行為がパワハラに該当すると主張している。

 薬物事件を調べた第三者委員会の報告書は、沢田副学長が7月に寮で大麻のような不審物を発見してから警視庁に報告するまでの「空白の12日間」が「(大学の)信用を失墜させた最大の原因」と指摘。林理事長や酒井健夫学長の対応の甘さも批判した。

 関係者によると、今月22日の理事会で、酒井学長と沢田副学長に辞任を勧告し、林理事長は減給50%とする処分の方針が固まった。林理事長は受け入れる意向を示し、沢田副学長ら2人も勧告に同意する方向で調整している。

日本大の林真理子理事長

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