華やかに時代行列、花火や物産も 4年ぶり「こだま祭」と「八咫の火祭り」、和歌山・田辺市本宮町

熊野本宮大社の旧社地・大斎原へと続く御幸道を歩く平安衣装の女性たち(26日、和歌山県田辺市本宮町で)

 和歌山県田辺市本宮町で26日、地域の恒例イベント「こだま祭」と「八咫(やた)の火祭り」があった。ともにコロナ禍の影響で4年ぶりの開催だが、八咫の火祭りは例年夏に開いており、今回初めて同じ日に実施。世界遺産・熊野本宮大社を訪れる観光客らでにぎわう本宮を、さらに盛り上げた。

 ともに実行委員会の主催。第39回「こだま祭」は本宮町本宮の本宮行政局前であり、会場では物産や軽食などが販売されたほか、ステージイベントでは田辺市の姉妹都市である岩手県一関市から訪れた「むろね南流太鼓」が出演して演奏を披露。地元・奥熊野太鼓との共演もあり、会場を盛り上げた。

 むろね南流太鼓の奥野幸市会長(68)によると、以前から奥熊野太鼓と交流を重ねているが、本宮町で演奏を披露するのは今回が初めて。「必ず本宮町を訪れたいと思っていた。コロナ禍の影響で思うようにいかなかったが、今回やっと念願が叶った」と笑顔。渕上太志実行委員長(56)は「外国人の観光客らも訪れ、以前よりも来場者が多いように思う。地域に元気が戻ったように感じる」と話した。

 第22回「八咫の火祭り」は午後3時半、本宮町本宮の熊野本宮大社で神事をした後、4時から旧社地・大斎原(おおゆのはら)に向け、平安衣装や山伏などの姿をした約30人の時代行列が出発。御幸道沿いに並べられた約200本のろうそくに火がともされる中を練り歩いた。6時からは大斎原そばの河原から花火が打ち上げられた。

 千葉県から参加した女性(36)は「平安衣装を着たくて参加した。4年ぶりの開催をとても楽しみにしていた」と話した。小渕宇津比古実行委員長(74)は「久しぶりの開催なので心配だったが、大勢が集まってくれてうれしい。今後も秋にこだま祭と同日開催し、地域を盛り上げていきたい」と話していた。

こだま祭では地元・奥熊野太鼓とむろね南流太鼓の合同演奏などが披露された(26日、和歌山県田辺市本宮町で)

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