労基署は「十分な調査を」 宝塚歌劇団、俳優の遺族代理人

 宝塚歌劇団の女性俳優(25)が急死した問題で、遺族代理人の川人博弁護士らは27日、立ち入り調査に乗り出した西宮労働基準監督署に対し「十分な調査をし、法令に照らして必要な措置を講ずることを求める」とするコメントを発表した。過重労働が常態化しているとし、他の劇団員の状況も把握するよう訴えた。

 入団7年目で宙組に所属していた女性は9月に急死し、遺族側は「過労死ライン」を大幅に超える長時間労働や上級生のパワハラによって自殺したと主張。歌劇団側は今月14日に公表した調査報告書でパワハラは確認できなかったとし、見解の相違について双方が話し合っている。

 川人弁護士らはコメントで話し合いの経過についても説明。「パワハラを否定されたまま合意解決はあり得ない」とした遺族側に対し、歌劇団側は「調査報告書に拘泥せず、遺族の主張を真摯に受け止め引き続き協議したい」と応じたという。

 歌劇団に対しては、西宮労基署が22日に立ち入り調査を実施。劇団員らの働き方を調べ、法令違反の有無を確認するとみられる。

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