いつものメニューに加えるだけ!免疫対策になる簡単アイデアを管理栄養士が伝授

『その調理、9割の栄養捨ててます!』の書籍監修で知られる東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部 部長で管理栄養士の濱裕宣先生によると、免疫機能を正常に働かせる効果がわかっている成分がいくつかあるのとこと。

濱裕宣先生(以下、濱)「免疫力の向上をサポートする成分として、タウリン、たんぱく質、ポリフェノールなどが有効です。また免疫細胞は腸の中に多数存在しているため、腸内環境を整えることも考慮することが大切。腸内環境を整えるために有効な食物繊維や乳酸菌、免疫細胞の働き自体を調整してくれるビタミンやミネラルなどを積極的に取り入れましょう」

具体的には、どんなメニューが良いのでしょうか? いつものメニューに加えるだけで、免疫対策メニューに変身する4つのアイデアを教えていただきました!

ちょい足しすれば免疫対策になるメニュー4選

1.カレー粉をちょい足し「イカのカレー炒め」

「イカのカレー炒め」

「イカ、エビ、牡蠣などの魚介類に含まれるタウリンという栄養素は、体力が低下したときに飲む栄養ドリンクにも主成分として使われていることでもおなじみですが、実は免疫機能を調整してくれる役割があります。他にも、肝機能を強化してくれる働きもあります。

タウリンにカレーの香辛料であるターメリックに含まれるポリフェノール『クルクミン』があわさると、より肝機能を活性化させ、肝臓の解毒作用を活発にしてくれる可能性があります。イカは薄皮をそのままにして炒めると、タウリンを逃さず摂取することができます。

このイカのカレー炒めにあわせる野菜には粘膜強化に役立つ成分であるβ-カロテンを含むニンジンを。β-カロテンは生で食べると吸収率8%程度ですが、加熱すると吸収率が2倍以上になります。油と相性がよく、油炒めにすると吸収率は70%までに上昇する点もおすすめの理由です」

2.白味噌をちょい足し!「白味噌クリームシチュー」

「いつものクリームシチューに白味噌を加えると、コクが出るだけでなく、白味噌に含まれるGABAにリラックス効果が期待でき、活性酸素の発生を抑えます。

シチューに定番の具である玉ねぎにはケルセチン、ニンジンにはβカロテン、ジャガイモにはビタミンCと抗酸化作用の成分が含まれています。またクリームシチューの牛乳を豆乳に替えると、豆乳のオリゴ糖が腸内の善玉菌のえさになり、腸内環境を整えます。

先ほどお伝えした通り、タウリンたっぷりの牡蠣も免疫対策になりますので、クリームシチューに入れてクラムチャウダー風にするのもおすすめです」

3.納豆をちょい足し!「ざるそば+納豆つけ汁」

「そばを食べる機会があれば、納豆を合わせましょう。納豆に含まれる酵素ナットウキナーゼには、免疫細胞のNK(ナチュラルキラー)細胞の増加効果が期待できます。ただしナットウキナーゼは熱に弱いので、温そばよりもざるそばのような冷やしそばがおすすめ。つけ汁に納豆を加えましょう」

4.ユーグレナパウダーをちょい足し!「ユーグレナ入りヨーグルト」

「ヨーグルトの乳酸菌も免疫対策に役立ちますが、よりパワフルに免疫対策を行うなら、市販のフルーツ味などのユーグレナパウダーをヨーグルトに混ぜてみてください。

ユーグレナはビタミン、ミネラル、アミノ酸、不飽和脂肪酸など59種類の栄養素をバランスよく含んだ食品。継続的な摂取が、感冒症状(かぜ様症状)の発生および諸症状の重症化を抑制することがわかっています。

またユーグレナに含まれるパラミロンという食物繊維は乳酸菌を活性化させ、それ自体にも免疫活性化の働きがあるといわれていますので、ヨーグルト×ユーグレナはおすすめの組み合わせです」

いつものメニューに食材を加えるだけで、手軽に免疫対策できるのは嬉しいですね。ぜひこの冬、試して家族の健康を守りましょう。

【監修】管理栄養士 濱 裕宣(はま ひろのぶ)先生

東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部 部長。『その調理、9割の栄養捨ててます!』や、レシピ本『慈恵大学病院のおいしい大麦レシピ』など多数の栄養、健康レシピ本にかかわる。日常生活のなかで活かせる健康と栄養バランスを大事にし、日ごろから患者の立場に立った食生活の向上指導にあたっている。

(ハピママ*/ 今村 梓)

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