「男女の間に友情は成立するの?」をテーマにした放映中のドラマ『いちばんすきな花』(フジテレビ)。多部未華子、松下洸平、今田美桜、神尾楓珠の4人の俳優が主演を務めるということも話題のひとつになっていますね。
永遠のテーマ「男女間の友情」をあなたはどう思いますか?
今回は、男女の友情に関するデータやエピソードから、よりよい男女の関係を探っていきましょう。
データから読み解く「男女の友情」の境界線
「異性間の友情は成立する?」というテーマで男女244名「異性の友人を好きになった経験」についてのアンケート調査から、興味深い結果が出ています。(調査:株式会社ネクストレベル、2022年3月23日公開)
異性間の友人の数で最も多かったのは、男女ともに「4人以上」。出会った場所は中高大学といった学校が50%近く。青春時代に出会い、性別を超えた交流を結んだ相手を「友達」と呼んでいます。
反対に「マッチングアプリ」(3.3%)、「合コンなど」(2.0%)、「婚活パーティー・街コン」(0.4%)はごくわずか。つまり恋愛対象から友人関係に変化するのは稀ということになりますね。
また「異性の友人とできること」では、「仲間と一緒に遊ぶ」が87%、「二人で遊ぶ、飲みに行く」が83%と8割を超えています。
一方、友人としてできないことのトップ3は「体の繋がり」「キス」「ハグ」などの体の接触が、男性で7割以上、女性は9割以上とダントツに多いです。セクシャルなふれあいの相手とは、友情が成立しないという表れですね。
さて気になるのは、異性の友人に恋愛感情を持てるのかということ。
異性の友人がいる人のうち、自分から相手を好きになった、あるいは好きになりかけたことがある人が約3割、相手から恋愛感情を抱かれた、あるいは相手の好意を感じたことがある人は2割弱程度。また、お互いに好きになった人は約1割。
友人同士から相思相愛の恋人になるのは稀といえるかもしれません。
さらに異性の友人に恋愛感情を抱いたきっかけは「いつの間にか好きになっていた」が多く、異性の友達に恋愛感情を持った後に「告白もアプローチもしなかった」が4割強とダントツ。
異性の友人から「好き」と告白されたり、アプロ―チされたりしたときの対応は「断った」が47.8%。友情を大事にしたいという気持ちのほうが勝っているということでしょう。
一方、相思相愛になったら「付き合った」が63%と多いのは、友人としての間にコミュニケーションが深まって、価値観もわかっていたから自然に交際へと発展したといえます。
友情を優先しながら、もし相思相愛になったら付き合う可能性が大きいのが、異性の友人といえるでしょう。
気になるのは、「異性の友人にときめいたことがある」と答えたのが、67.2%。
恋のような気分になったことがある人が多いということは、恋愛に発展することもありなのです。
男女間の友情が恋愛に変わったエピソード
男友達を好きになったけど、告白しなかった女性
高校の元同級生で部活も同じの葛西くん(仮名・28歳)とは、部活が終わるとふざけあって一緒に下校していたという美帆さん(仮名・28歳)
大学進学で葛西くんは上京。美帆さんは地元の大学に通いますが、卒業後は東京の企業に就職したため、葛西くんと再会。それまでも葛西くんが帰省するたびにクラスメイトたちと一緒に遊んでいたそうです。
「東京で社会人生活がスタートした時も、東京の生活のことなど葛西くんが教えてくれました。世話好きの一面を見たような気がします」
東京でも異性の友達として、東京にいる同窓生らとご飯を食べたり、遊びに行ったりと仲良くしていた美帆さん。葛西くんに恋人がいることを知ると、少し寂しくなりましたが、「友達として私は祝福している」と感じるとほっとしたそうです。
美帆さんの気持ちに変化が起こったのは、地元にいる美帆さんの母親が病気になったとき。
主治医が見つからず、不安でいっぱいの美帆さんを励まし、近隣の専門医の先生を探してくれたのです。その甲斐があって、お母さんは効果的な治療を施されているそうです。
「困ったときに助けてくれた彼に、きゅん、としてしまいました」
葛西君に対する恋心を抱いたのですが、美帆さんが告白することはありませんでした。友達としての彼を失うのが怖いからです。
このように、女性は悲しいときや苦しいときにそばにいてくれるだけでなく、助けてくれたときに友情が恋愛に変わる傾向があります。
気持ちを伝えて玉砕するも…
大学のサークルで一緒だった真木くん(29歳・仮名)と社会人になってからも飲み友達という香奈枝さん(29歳・仮名)。
香奈枝さんは教育現場で働いていましたがストレス性の病気で退職。退職前に、半年以上も笑っていないことに気づいたのは、偶然に見た深夜のお笑い番組に思わず声を出して笑ってから。
「これまで辛かったから人を楽しませる芸人になろう」と決心して退職後に養成所に入ったのですが、デビューできてもブレイクするは大変な道のりだとわかってきたそうです。
「辛くなるたびに真木くんを飲みに誘うと、慰めてくれたり励ましてくれたり。彼に感謝をしているうちに、だんだんと意識するようになったんです」
真木くんも勤務のレストランで人間関係の問題で悩んでいたそうですが、「香奈枝ちゃんの悩みに比べたら僕の悩みなんて、たいしたことないよ」とさらに励ましてくれたとか。
「まさか、友達に恋愛感情を抱くなんて、信じられませんでした」
告白する、しないで悩んでいた香奈枝さんは、ある夜、いつものように真木くんと飲んでいたときに酔った勢いで「好きなんだけど」と遂に告白。でも真木くんは即座に「ありえない」と拒否。
香奈枝さんは告白したことを後悔したものの、「これまで恋から遠ざかっていた私でしたが、恋もするんだね」とわかって、失恋のショックを紛らわすように、マッチングアプリで婚活を始めたそう。
男友達から振られた失恋の痛手をバネにして、1年後に本気で付き合える相手と巡り合ったそうです。
男友達との失恋をバネにしてリベンジをした女性は、「男友達には感謝している」と余裕をもてるくらい、努力して幸せになったのです。
失恋も離婚も、いつも支えになってくれた男友達の一言にキュン
プロジェクトチームの一員として、1年以上毎日仕事に取り組んでいたのは、学年が1つ上の酒井くん(仮名・30歳)。
晴香さん(仮名・28歳)が落ち込んだ時に元気づけてくれたり、失恋の時も一緒に飲んで話を聞いてくれたりしたそうです。
「酒井くんが誰に対しても分け隔てることなく付き合ってくれるので、周囲は博愛主義者と呼んでいました」
恋愛感情抜きで話せるので、本音を出せるのも、楽しかったと晴香さん。
プロジェクトチームが解散してからも、ときどき元チームメンバーと飲みに行ったりするうちに、メンバーの結婚式も多くなり、仲間として祝福しあっていたとそうです。
晴香さんも32歳で結婚。結婚式は海外のチャペルで家族だけの身内婚のため、元チームの人たちは晴香さんの結婚相手も知らなかったそうです。3年後に離婚した時も誰も知らなかったのは、晴香さんが言わなかったから。
「ところが人事に異動した酒井くんが知っていて。離婚した年の忘年会の帰りの電車の中で、2人きりになったときに『別れたんだね』と聞かれたので、思わず涙が溢れてきたら慰めてくれて、『もし将来、お互いに独身でパートナーがいなかったら、結婚しよう』と言われたんです」
遠回しのプロポーズだと気づいたのは、年が明けた正月のこと。晴香さんは酒井くんに思い切って発言の意味を尋ねるのですが、「それ以上でも以下でもないよ」と照れくさそうな表情でこたえたそうです。
「誰もいなかったら、俺と結婚しよう」というのはまさに胸キュンなセリフ。昔から交友関係があった男友達の言葉だからこそ、心に響きますね。
男女間で友情が成り立つのはこんなパターン
失業中にバイト先で知り合った2歳年上の男性とずっと友達というのは、2人の子供を持つワーキングママの美登里さん(仮名・36歳)。
「バイト仲間の彼とはずっと友達です。結婚前に夫と喧嘩したときも仲直りのアドバイスをしてくれたり、出産してから会社を辞めたくなったときに相談したりしたのも彼です。
結婚しても家族ができても、変わらずに友達でいてくれるから、かけがえのない人ですね」
結婚しても家族ができても、変わらない友情をキープできるのは、互いに大人だからです。
友人関係の男女が恋愛に至るプロセスがわかる映画とは
ある男女の11年にもわたる友情と愛を描いた映画『恋人たちの予感』。
2人は、それぞれ結婚、離婚後に再会して友達になりますが、仲がいいのか悪いのかいつも口論ばかり。
ひょんなことから男女の関係になってからぎくしゃくする2人の描写は、まさに「友人から恋人になれるのか」を自問自動しているようなもの。
やがて互いに受け入れようとする瞬間のセリフがとてもロマンチック。
「一日の最後に話をしたいのは、あなた」
口論ばかりしていた2人は実は大の仲良しだったこともわかる決めセリフに、思わず笑みもこぼれます。
80年代、90年代を代表する恋愛映画の女王、メグ・ライアンが主演。
『スタンド・バイ・ミー』のロブ・ライナー監督の繊細なタッチのハートフルな恋愛映画は、友達から恋人までの道のりが丁寧に描かれています。男友達を好きになりそうな人におすすめです!
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これまで異性として意識していなかった間柄が、ふとした瞬間に恋愛に発展することもあります。
しかし、相手も同じテンションでこちらを見てくれているかどうかは別の話です。
男友達が自分のことをどう思っているのかしっかりと見極めて、気持ちを伝えるかどうかなどの動きを考えていきましょう。
(mimot.(ミモット)/ 夏目 かをる)