【米ビルボード・ソング・チャート】ジャック・ハーロウ「ラヴィン・オン・ミー」首位獲得、「恋人たちのクリスマス」4位に浮上

米ケンタッキー州出身のラッパー=ジャック・ハーロウの「ラヴィン・オン・ミー」が1位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

先週2位に初登場した「ラヴィン・オン・ミー」は、今週の集計期間(2023年11月17日~11月23日)にストリーミングが2,360万回(6%増加)、エアプレイが2,080万回(71%増加)、セールスは11,000(10%減少)をそれぞれ記録して、登場2週目で首位に到達し、Hot 100史上1,160曲目のNo.1タイトルに輝いた。

ジャック・ハーロウにとっては、「インダストリー・ベイビー with リル・ナズ・X」(2021年 / 1週)、「ファースト・クラス」(2022年 / 3週)に続く3曲目の首位獲得で、テイラー・スウィフト、ドレイクに続き過去3年間(2021~23年)でそれぞれ1位を獲得した3組目のアーティストとなった。

主要チャートでは、ストリーミング・ソング・チャートで2週目の首位を獲得。デジタル・ソング・セールス・チャートでも先週に続き2位をキープして、エアプレイ・チャートでは32位に初登場した。その他、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートでも2週目の首位を獲得している。

「ラヴィン・オン・ミー」には、1995年にリリースされたキャデラック・デール(デルバート・“デール”・グリアー)というアーティストの「ホワットエヴァー」がサンプリングされていて、同曲も間接的に初のランクインと首位を獲得したことになる。

なお、ジャック・ハーロウは今年4月に最新アルバム『ジャックマン.』(5月13日付 / 8位)をリリースしているが、本作に「ラヴィン・オン・ミー」は収録されていない。

「ラヴィン・オン・ミー」と入れ替わり、テイラー・スウィフトの「クルーエル・サマー」は先週の1位から2位にダウンしたが、エアプレイ・チャートでは6週目の首位を獲得した(6,880万回)。3位は、ドージャ・キャットの「ペイント・ザ・タウン・レッド」が同位をキープしている。

続いて今週4位には、先週の17位からマライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」がジャンプアップして、今年の1月7日付以来、約11か月ぶりのランクインを果たした。

「恋人たちのクリスマス」は、例年通りホリデー・シーズンの始まりにより、ストリーミングが57%増加の2,200万回、エアプレイが105%増加の1,560万回、セールスも70%増加の3,000にそれぞれ上昇。今週は、11月19日に開催された【2023 ビルボード・ミュージック・アワード】でパフォーマンスを行い、<ビルボード・チャート・アチーブメント賞>を受賞して、双子のモンローとモロッカンから賞を授与されたことも話題となった。

「恋人たちのクリスマス」がリリースされたのは1994年10月だが、ストリーミングが集計に加算されるようになった2014年以降年々最高位を更新して、2017年の12月に初めてTOP10入りした。2019年12月21日付チャートでは、発売25週年目で通算19曲目の首位に輝き、ザ・ビートルズがもつ20曲に次ぐ歴代2番目の記録に浮上。ホリデー・ソングとしては、1958年12月22日から1959年1月12日付チャートまでの4週1位をキープした、ザ・チップマンクス with デヴィッド・セビルの「ザ・チップマンク・ソング」以来61年ぶり、歴代2曲目の首位獲得で、その「ザ・チップマンク・ソング」がもつ4週を上回るホリデー・ソングの歴代最長記録(通算12週)を更新している。

「恋人たちのクリスマス」首位獲得週
2019年12月21日
2019年12月28日
2020年1月4日
2020年12月19日
2021年1月2日
2021年12月25日
2022年1月1日
2022年1月8日
2022年12月17日
2022年12月24日
2022年12月31日
2023年1月7日

2011年から集計が始まったホリデー・ソング・チャート(Holiday 100)では、全63週中58週間「恋人たちのクリスマス」が首位を獲得していて、現時点での最長記録を更新し続けている。

シザの「スヌーズ」は先週の4位から5位に順位を下げたが、R&Bソング・チャートでは17週目の首位をキープ。ザック・ブライアンの「アイ・リメンバー・エヴリシング feat. ケイシー・マスグレイヴス」は6位をキープして、ロック&オルタナティブ・ソング・チャートとロック・ソング・チャートではそれぞれ13週目、カントリー・ソング・チャートでは9週目の首位を獲得した。

先週8位に初のTOP10入りを果たしたテイト・マクレーの「グリーディー」は、11月18日に米NBCの『サタデー・ナイト・ライブ』、翌19日には【2023 ビルボード・ミュージック・アワード】に出演した反響もあり、今週7位に順位を上げて自己最高位を更新している。

「恋人たちのクリスマス」に続き、今週8位にはブレンダ・リーの「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」も年始以来、約11か月ぶりのランクインを果たした。ブレンダ・リーは、これで初めてTOP10入りした「スウィート・ナッシン」(1960年3月)から今週ランクインするまでの期間を63年8か月2週間に更新し、故アンディ・ウイリアムスが「ロンリー・ストリート」(1959年10月)から「イッツ・ザ・モスト・ワンダフル・タイム・オブ・ザ・イヤー」(2023年1月)で達成した63年3か月を上回る、歴代最長記録を更新した。

1958年にリリースされた「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」は、1960年に最高14位を記録した後上位にはランクインしなかったが、2014年の編成以降、ストリーミングの上昇によりホリデー・シーズン毎にランクインするようになり、現時点での最高位は2位(通算9週)を記録している。

今週は、ホリデー・シーズンの到来により、ストリーミングが57%増加の2,200万回、エアプレイが83%増加の1,540万回、セールスも308%増加の2,000にそれぞれ上昇。11月3日にはリリース65周年を記念して11月3日に初のミュージック・ビデオを公開、12月7日に放送される米NBCの『クリスマス・アット・ザ・オプリ』ではこの曲をパフォーマンスする予定で、今後もポイントの上昇が見込める。

テイラー・スウィフトの「イズ・イット・オーヴァー・ナウ?(テイラーズ・ヴァージョン)(フロム・ザ・ヴォルト)」は先週の5位から9位にランクダウンして、今週10位には南アフリカ出身の女性シンガー=タイラの「ウォーター」が先週の15位から初のTOP10入りを果たしている。

「ウォーター」は、11月17日にラッパーのトラヴィス・スコットとマシュメロを迎えたリミックスを2曲同時にリリースしたことで、各ポイントが上昇。エアプレイは3,840万回(24%増加)、ストリーミングが1,440万回(49%増加)、セールスも2,000(19%増加)にそれぞれ数字を伸ばし、アフロビーツ・ソング・チャートでは7週目の首位を獲得した。

「ウォーター」は、現地時間2024年2月4日に米ロサンゼルスで開催予定の【第66回グラミー賞】で<最優秀アフリカン音楽パフォーマンス賞>にノミネートされている。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは12月1日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「ラヴィン・オン・ミー」ジャック・ハーロウ
2位「クルーエル・サマー」テイラー・スウィフト
3位「ペイント・ザ・タウン・レッド」ドージャ・キャット
4位「恋人たちのクリスマス」マライア・キャリー
5位「スヌーズ」シザ
6位「アイ・リメンバー・エヴリシング」ザック・ブライアン feat. ケイシー・マスグレイヴス
7位「グリーディー」テイト・マクレー
8位「ロッキン・アラウンド・ザ・クリスマス・ツリー」ブレンダ・リー
9位「イズ・イット・オーヴァー・ナウ?(テイラーズ・ヴァージョン)(フロム・ザ・ヴォルト)」
10位「ウォーター」タイラ

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