さくら市傷害致死事件・初公判 被告の男が起訴内容一部否認

 2019年、妻とその妹と共謀し高根沢町の当時24歳の女性をさくら市の自宅で監禁し、暴行を加え死亡させ遺体を宮城県白石市の山林に遺棄したとして、傷害致死などの罪に問われている男の裁判員裁判の初公判が11月27日、宇都宮地方裁判所で開かれ、男は起訴内容を一部否認しました。

 傷害致死や死体遺棄などの罪に問われているのは、住所不定・無職の海部学被告(37)です。起訴状などによりますと、学被告は2019年、妻の春香受刑者とその妹の高木沙耶花被告と共謀し、高根沢町の当時24歳の女性をさくら市内の自宅に監禁し、複数回殴る蹴るなどの暴行を加えて死亡させ、遺体を宮城県白石市の山林へ遺棄したとしています。

 妻の春香受刑者は懲役8年が確定していて、その妹・高木沙耶花被告は24日に懲役5年の実刑判決が言い渡されました。

 27日に開かれた初公判で学被告は、監禁・死体遺棄などについては認めましたが、傷害致死については「死因が暴行によるものかは分からない」と起訴内容を一部否認しました。

 検察側は冒頭陳述で、被害者の女性を監禁している際に、学被告が主導で被害者へ激しい暴行を加え、また被害者の死因についても学被告の暴行によるものと指摘しました。

 一方、弁護側は被害者が亡くなった原因と言われる暴行については軽微なもので、学被告の暴行による死亡だとは限らないと主張し「傷害致死」については否認の立場を示しました。また、暴行の時期や頻度、関与の程度についても争う姿勢を示しました。

 裁判は審理を経た後、来年(2024年)1月11日に判決が言い渡されます。

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