芸備線再構築協 速やかに設置 斉藤国交相が考え表明

JR芸備線

 岡山、広島県にまたがるJR芸備線の利用低迷区間の存廃を話し合う国の「再構築協議会」について両県と沿線の新見、庄原市が参加の意向を表明したことを受け、斉藤鉄夫国土交通相は28日、協議会を速やかに設置する考えを明らかにした。設置されれば全国初。広島県の意向を踏まえ、沿線の広島、三次、安芸高田の3市を加える可能性も示した。

 閣議後の記者会見で、27日を回答期限としていた2県2市への意見聴取の結果を問われた斉藤氏は「協議会を設置する方向で調整し、構成員など具体的な在り方を検討していく。スケジュールはできるだけ早くしたい」と話した。

 広島県側が存廃議論の対象になると見込まれる備中神代(新見市)―備後庄原(庄原市)間だけでなく、沿線の他の自治体を含めた広域な観点で議論を求めたことにも触れ「まずは広島県で沿線市との調整を実施し、その結果を踏まえて広島、三次、安芸高田の3市に(協議会への参加意向を問う)意見聴取を検討する」と述べた。

 一方、岡山県と新見市が既存の「法定協議会」での議論を希望したことについては「国、地方自治体、事業者が危機感、情報を共有しながら議論していく方が望ましい」とし、再構築協議会の場が適切だとの考えを示した。

 再構築協議会は10月にスタートした制度で、国を調整役として自治体や鉄道事業者などが存廃を議論する。1キロ当たりの1日平均乗客数(輸送密度)が千人未満の区間を優先して協議し、3年以内をめどに利用を促進するか、バスに転換するかなどを決める。

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