初芝立命館中高と連携協定 和歌山県すさみ町、教育旅行で交流

協定書に署名する岩田勉町長(左)と花上徳明校長=和歌山県すさみ町周参見で

 和歌山県すさみ町は、堺市にある初芝立命館中学校高校と包括連携協定を結んだ。教育旅行での交流などを通して教育と地域活性化の充実、発展を目指していく。

 町が2021年に先端技術と規制緩和を取り入れた国家戦略特区「スーパーシティ」に応募したことがきっかけだった。スーパーシティに参画していた企業の紹介で、初芝立命館中・高の花上徳明校長が町を訪問し、町が町観光協会、民間事業者と連携して進めている教育旅行の取り組みに賛同した。

 その後、初芝立命館中の1年生163人が4月26~28日、町を訪問。入学したばかりの生徒が一緒にさまざまな体験をすることで交流を深める宿泊研修「フレッシャーズキャンプ」で、2組に分かれテント泊と民泊で1泊ずつし、漁業や狩猟を体験したり、地元中学生と田植えで交流したりした。

 このほど、町役場で調印式があり、岩田勉町長と花上校長が協定書に署名した。協定の有効期間は1年間で、解約の申し出がない場合は1年ずつ延長していく。

 岩田町長は、4月の宿泊研修では、行政だけでなく、一般町民も生徒をもてなしてくれたことがうれしかったと述べ「子どもたちがすさみ町を訪れることを楽しみになってくれればうれしい」と語った。

 花上校長は、町を訪れた生徒は今でも町での貴重な体験の思い出を語っており、保護者も喜んでいると説明。来年の中学1年生も宿泊研修で町を訪れる予定と述べ「すさみ町が生徒の第二のふるさとになってくれればうれしい」と話した。

 同校の生徒は中学生425人、高校生1146人の計1571人。自治体とこのような連携協定を結ぶのは初めて。

 町は摂南大学(大阪府寝屋川市)、武蔵野美術大学(東京都)と連携協定を結んでいるが、中学校、高校との協定は初めて。

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