市の土地を有料駐車場として市議が貸し出し 10年間の利益200万円の返還求め市が提訴=静岡・沼津市

静岡県沼津市の市議会議員が、沼津市の土地を有料駐車場として貸し出していた問題で、沼津市は11月28日、市議に対して利益の返還を求める裁判を静岡地方裁判所沼津支部に起こしました。

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沼津市が訴えたのは、山下富美子沼津市議です。訴えによりますと、沼津市は山下市議が自宅敷地に隣接する市が所有する土地を月極駐車場として有料で複数の人に貸し出していたとして、約10年間、駐車場の貸し出しによって不当に得た利益200万円の返還を求めています。

この問題をめぐっては、沼津市が約10年間の利益の返還を求め提訴する議案を市議会に提出し、2023年10月に可決されていました。山下市議は、沼津市に対してこれまで和解を求めてきましたが、この問題は裁判で争われることとなりました。

提訴について沼津市の頼重秀一市長は、「昨年より長きに渡って、解決の方策を思案し、解決に向けて具体的な協議内容を山下市議側に伝えてきたが応じてもらえませんでした。このままでは解決のめどが立たないことから、やむなく提訴の形になりました。現職の市議会議員を提訴することは極めてまれな例。提訴に関しては大変重く受け止めています」などとコメントしました。

一方で、山下市議は、「本年9月の情報開示請求でたくさんの事実が公開され、それに基づいた話し合いによる解決を望んできましたので、提訴に至ったということは大変残念です。この土地問題に対して、沼津市の提訴という方法は、決して市民に寄り添ったものではなく、全国的にも異例の提訴として取りあげられることになると思います」などとコメントを発表し、29日記者会見を開く予定です。

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