紛争で対立 オーケストラで一つに バルカン室内管弦楽団が公演【長野・下諏訪町】

紛争があったバルカン半島の国々の人たちで結成されたオーケストラが昨夜、下諏訪町でコンサートを開きました。
タクトを執ったのは、地元出身の指揮者・柳沢寿男さんです。

「バルカン室内管弦楽団」は、民族紛争のあった旧ユーゴスラビアの国々の演奏家などでつくるオーケストラです。
2007年に下諏訪町出身の指揮者・柳沢寿男さんが設立し、今回は弦楽器奏者を中心にセルビア人やマケドニア人など25人が来日しました。新型コロナの影響で、メンバー全員が来日して開く演奏会は4年ぶりです。

■柳澤寿男さん
「旧ユーゴスラビアおよびバルカン半島の民族融和、民族共栄のオーケストラということで、20数年前までは戦争で対立していた民族で今もなおなかなか交流が難しい、現地でもなかなか会うことが出来ない人たちだが、今は隣に座わって同じオーケストラの作品を演奏する」

メンバーは1年に一度集まり、世界各地で平和を願うコンサートを開いていて、今回もその一環です。メインプログラムでは管楽器や打楽器のパートに日本人の演奏家が加わり、一糸乱れず進んでいきます。
700人収容の会場は満席となり、迫力のある響きが観客を魅了しました。

■観客
「すばらしかったです」
■観客
「最後、終演後に演奏された方々は和気あいあいと帰る姿もとても印象に残った」
■観客
「普段吹奏学部なんですけれど、吹奏楽だけでは表せられない壮大さ弦楽器と合わさっていたのがすごくかっこよかった。戦争がある中でも音楽とかで平和を作っていけたら良いなと思った」

「国・民族・宗教」の壁を乗り越え、平和を願って活動するオーケストラ。信州で生まれた指揮者がその中心に立ち、メンバーから厚い信頼を得ています。

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