梅毒最多、1万3000人超に 3年連続更新、母子感染も

梅毒の原因となる「梅毒トレポネーマ」の電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)

 国立感染症研究所は28日、性感染症の一つである梅毒の今年の患者数が19日時点で1万3251人に上ったと発表した。現在の集計方法となった1999年以降の最多を3年連続で更新。母子感染による子どもの「先天梅毒」も10月4日時点で32人となり最多だった。専門家は、感染リスクを下げる避妊具の着用や、早期の相談を呼びかけている。

 梅毒は「梅毒トレポネーマ」という細菌に感染して発症する。性器や口の中にしこりができ、全身に発疹が広がるほか、放置すると細菌が全身に回って大動脈瘤が生じるなど重症化する。性交渉など皮膚や粘膜が直接接触してうつる。

 国内の梅毒患者数は約10年前から増加傾向。昨年は、99年以降初めて1万人を突破し計1万2966人(暫定値)だった。今年は11月時点で昨年を上回った。

 妊婦が梅毒になると一定の割合で胎児が先天梅毒となる。早産や死産となったり、障害が残ったりする。ここ数年は横ばいだったが今年に入り急増している。

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