リオデジャネイロ五輪競泳女子200メートル平泳ぎ金メダリストの金藤理絵さん(35)の講演会が23日、上越市土橋の市民プラザで開かれた。水泳選手を中心に保護者、指導者ら約30人が聴講した。上越スポーツラボDEW主催。
金藤さんは広島県出身で、高校3年でインターハイ優勝、「夢はオリンピック選手」と目標を抱いた。東海大に進み加藤健志コーチと出会い、さらに素質を開花。2008年北京五輪で7位に入った後、腰痛などもあり「挫折」を経験。その後、練習への取り組み姿勢を変え、2016年リオ五輪の金メダルにつながったという。
「すぐに『無理』『できない』と決めつけず、とにかくチャレンジしてみよう」と呼びかけた。2018年に現役選手を引退し、現在は長野県東御市役所(高地トレーニング施設)に在籍し、GMOアスリーツパーク湯の丸PR大使を務め、長野市に在住。東海大が上越市で合宿練習を開いていることもあり、しばしば同市を訪れるなど、縁が深い。
後半はパラリンピック水泳の石浦智美選手(35、伊藤忠丸紅鉄鋼、上越市出身)とのオンライン対談。同選手は先のアジアパラで銅メダル一つ、4位入賞二つを獲得。その後の日本パラ水泳選手権視覚障害S11クラス、50メートル背泳ぎで自身の持つ世界記録を更新した。
石浦選手は一昨年の東京パラリンピックなどでの自身の体験から「大会が近づくにつれ周りの選手が気になってしまう。いかに自分の泳ぎに集中できるか」と話し、質問。金藤さんは「気にしないでおこうと思っても気になる。気になるから自分はもっと頑張ろう、これだけは誰にも負けないと思えれば」「1位以上のことに目標を置けば、メンタル面や体調不良を含め何かあった時に100%の力を出せなくても1番を取ることができる」とアドバイスし、交流を深めた。また、会場からの質問にも丁寧に答えていた。