熊本デパート火災、教訓次世代へ 104人死亡、発生50年

保管していた36本の録音テープについて説明する松本津紀雄弁護士=24日、熊本市

 104人が死亡した熊本市の大洋デパート火災から29日で50年。教訓を次世代に残そうと、会社側に損害賠償を求めた集団訴訟の原告側弁護士は、法廷でのやりとりを録音したテープ36本を保管している。消火活動に当たった元消防士は「何があったのかを知ることが重要だ」と指摘。災禍の実相を伝える取り組みが続いている。

 「到着した時には黒煙が充満し、既に店内に火が回っていると思った」「窓から中を見ると赤黒く焼けた遺体が4体あった」。録音は約70時間に及び、消防士らの生々しい声が残されている。

 テープは熊本市の松本津紀雄弁護士(80)が保管してきた。犠牲者82人の遺族が1974年5月、会社側に計約37億円の損害賠償を求め熊本地裁に起こした訴訟で、弁護団事務局次長を務めた。

 訴訟では消防隊員や従業員らが、消火活動や防火管理の不備について証言。76年3月、会社側が計約18億円を支払うことで和解した。松本さんはテープの保存と研究活用について、熊本学園大と協議しており「教訓を伝え続ける一助になれば」と話す。

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